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特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション
5.腫瘍(外来化学療法) 【癌性疼痛】
69.癌性疼痛に対してモルヒネを使用したところ,頑固なしびれ感をきたした患者です。対処と処方について教えてください。
著者: 木村祐輔1 池田健一郎1 若林剛1
所属機関: 1岩手医科大学外科学講座
ページ範囲:P.236 - P.238
文献概要
癌性疼痛は,WHO 3段階除痛ラダーに基づいたモルヒネを中心とするオピオイド鎮痛薬や非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の適切な使用により,その80~90%は改善するといわれている。しかし,10~20%の患者では,オピオイド鎮痛薬を十分投与しても緩和されない痛みが残存する1)。
この,オピオイド鎮痛薬に反応しにくい難治性の疼痛の多くが,癌による末梢神経や中枢神経の圧迫や障害が原因とされる神経因性疼痛(neuropathic pain)である。このような痛みに対し,オピオイドの増量のみで対処すると疼痛の緩和が得られないばかりか,眠気などの副作用のみが増悪し患者のQOLを著しく損なう要因となる。よって,オピオイド鎮痛薬の効きにくい痛みの治療の際は,神経因性疼痛の可能性を念頭において疼痛対策を行う必要がある。
参考文献
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