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特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション 6.内分泌疾患 ■性分化異常 【性機能障害】
81.クエン酸シルデナフィルが無効である糖尿病性のED患者です。対処と処方について教えてください。
著者: 邵仁哲1 三木恒治1
所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科泌尿器外科学
ページ範囲:P.284 - P.286
文献購入ページに移動糖尿病は,勃起障害(erectile dysfunction:ED)発症の重大かつ独立したリスク因子の1つである。1998年の白井1)による疫学調査では,日本におけるED患者数は約1,000万人と推定されており,そのうち糖尿病性ED患者は約100万人ほどと考えられている。糖尿病によるEDの頻度は,健常人男性の2~3倍,糖尿病男性の30~60%とされており2),これは糖尿病の代表的な3大合併症である網膜症,腎症,神経障害の頻度と比較しても同程度の数字である。
米国においては,約1,600万人が糖尿病に罹患し,糖尿病男性における勃起障害の有病率は,30~70%と推定されている3)。また糖尿病患者は,非糖尿病男性に比較してED罹患率が3倍に増加するとする報告もある4)。このように糖尿病がEDの最大のリスク因子の1つであることを考えると,EDがさまざまな糖尿病合併症の中で,最初に起こり得る可能性の高い症状とみなすことができるであろう。
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