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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科62巻4号

2008年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション 6.内分泌疾患 ■性分化異常 【性機能障害】

81.クエン酸シルデナフィルが無効である糖尿病性のED患者です。対処と処方について教えてください。

著者: 邵仁哲1 三木恒治1

所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科泌尿器外科学

ページ範囲:P.284 - P.286

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1 診療の概要

 糖尿病は,勃起障害(erectile dysfunction:ED)発症の重大かつ独立したリスク因子の1つである。1998年の白井1)による疫学調査では,日本におけるED患者数は約1,000万人と推定されており,そのうち糖尿病性ED患者は約100万人ほどと考えられている。糖尿病によるEDの頻度は,健常人男性の2~3倍,糖尿病男性の30~60%とされており2),これは糖尿病の代表的な3大合併症である網膜症,腎症,神経障害の頻度と比較しても同程度の数字である。

 米国においては,約1,600万人が糖尿病に罹患し,糖尿病男性における勃起障害の有病率は,30~70%と推定されている3)。また糖尿病患者は,非糖尿病男性に比較してED罹患率が3倍に増加するとする報告もある4)。このように糖尿病がEDの最大のリスク因子の1つであることを考えると,EDがさまざまな糖尿病合併症の中で,最初に起こり得る可能性の高い症状とみなすことができるであろう。

参考文献

1)白井将文:わが国のED患者の動向.モダンフィジシャン 19:1081-1083,1999
2)高橋良当:性機能障害治療マニュアル―糖尿病と性機能.MB MED Reha 53:25-29,2005
3)Feldman HA, Goldstein I, Hatzichristou DG, et al:Impotence and its medical and psychosocial correlates:results of the Massachusetts male aging study. J Urol 151:54-61, 1994
4)Dey J, Shepherd MD:Evaluation and treatment of erectile dysfunction in men with diabetes mellitus. Mayo Clin Proc 77:276-282, 2002
5)Bhasin S, Enzlin P, Coviello A, et al:Sexual dysfunction in men and women with endocrine disorders. Lancet 369:597-611, 2007
6)Saenz de Tejada I, Goldstein I, et al:Impaired neurogenic and endothelium-mediated relaxation of penile smooth muscle from diabetic men with impotence. N Engl J Med 20:1025-1030, 1989
7)Bemelmans BL, Meuleman EJ, Doesburg WH, et al:Erectile dysfunction in diabetic men:the neurological factor revisited. J Urol 151:884-889, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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