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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科62巻4号

2008年04月発行

特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション

8.そのほか 【血尿】

86.運動後(特に剣道のあとに多いようですが)だけに出現する血尿は治療を要するのでしょうか。高度な血尿を繰り返す患者には運動を禁止すべきでしょうか。

著者: 室田明子1 内田豊昭1

所属機関: 1東海大学付属八王子病院泌尿器科

ページ範囲:P.304 - P.305

文献概要

1 診療の概要

 運動後の血尿は,わりとよくみられるものである。運動後の赤色尿は,赤血球によるいわゆる狭義の血尿だけでなく,ヘモグロビン尿やミオグロビン尿も含まれる。これらは主に激しい運動の後にみられ,報告によれば,21~90kmの距離のマラソン後に20~25%の頻度で血尿がみられた1),とある。しかし,これをどうマネジメントすべきかについては,決まったガイドラインなどはない。肝心なことは,一過性の良性の血尿を,本当に精密検査が必要な病的な血尿から鑑別することだと思われる。

参考文献

1)Ubels FL, Essen GG, Jong PE et al:Exercise induced macroscopic haematuria:run for a diagnosis? Nephrol Dial Transplant 14:2030-2031, 1999
2)南山堂医学大辞典.第18版(電子版).南山堂,東京,2000
3)Campbell MF:Campbell's Urology. 8th ed(電子版). WB Saunders, Philadelphia, 2002
4)Kincaid-Smith P:Hematuria and exercise related hematuria. BMJ 285:1595-1597, 1982
5)Blacklock NJ:Bladder trauma in the long distance runner:“10,000 meters hematuria”. Br J Urol 49:129-132, 1977
6)Parmar MS:Snowmobiler's hematuria. CMAJ 168:670-672, 2003
7)Siegal AJ, Hennekens CH, Solomon HS, et al:Exercise related hematuria in a group of marathon runners. JAMA 241:391-392, 1979
8)太田匡彦,大園誠一郎,池田朋博,他:夏季におけるランニング後の運動性血尿の検討.日泌尿会誌 95:705-710,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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