icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科62巻6号

2008年05月発行

文献概要

セミナー ここまできたトランスレーショナルリサーチ・2

膀胱内圧の非接触連続監視のための閉鎖ベローズ式感圧機構をカプセル化したテレメーター発振器

著者: 松本成史1 竹内康人2 植村天受1

所属機関: 1近畿大学医学部泌尿器科 2鹿児島大学工学部情報工学科

ページ範囲:P.401 - P.405

文献購入ページに移動
要約:蓄尿と排尿のプロセスは外乱に対して鋭敏なため,その無妨害動態観測には種々の問題点が残っている。本研究においてはこの主旨により最も妨害の少ない手法として膀胱内に送り込まれてしばらく停留し,そこの静圧情報をセンスして連続送信してくるカプセル状のテレメーター発信機を構想し,設計,試作,モデル実験および動物実験を行って実用化の見通しをえたので報告する。感圧変位系に直結した可変インダクタンス式のLC発信回路が電池とともに外部尿道を通過しえる直径6mmほどのカプセルに収容され,その発振コイルの放つ高周波磁束を体外からサーチコイルと狭帯域ヘテロダイン受信機で捕足し,発振信号の周波数ないしは位相推移を精密に計測することで圧の推移を観測する。In-vivo実験では,家兎の膀胱内において排尿反射および自然放尿の過程を数時間にわたり何回か観測することができた。

参考文献

1)林 英哲:ウロダイナミクスにおける新展開.排尿障害プラクティス4:6-12,1996
2)Kershen RT, et al:Blood flow, pressure and compliance in the male human bladder. J Urol 168:121-125, 2002
3)McIntosh SL, et al:Noninvasives measurement of bladder pressure. J Urol 169:1003-1006, 2003
4)竹内康人:CW doppler systems for external urodynamic study. 13th IRMMW session F1.8, SPIE 1039:385-386, 1988
5)竹内康人:膀胱内に係留される装置.特開2000-325328 2000.11.28(特願平11-182227,1999.5.24)
6)松本成史,竹内康人:非接触的に膀胱内圧を連続監視するために膀胱内に送入されるカプセル状センサテレメーター発信機の設計,試作およびモデル実験.信学技報MBE 101:29-34,2003
7)Matsumoto S, Uemura H, Takeuchi Y, et al:Inductive coupling wireless sensor-transmitter for continuous monitoring of intra-bladder pressure for unconstrained urodynamic study. Proceedings of 5th International Workshop on Biosignal Interpretation, pp 193-194, 2005
8)竹内康人:膀胱内圧測定用超小型テレメトリー発信機の開発.第94回日本泌尿器科学会総会 シンポジウム7(発表抄録),2006
9)松本成史,竹内康人,植村天受:新しい非侵襲ウロダイナミクス装置(膀胱内圧テレメトリー法)の開発とその有用性.第14回日本排尿機能学会(発表抄録),2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら