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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科62巻6号

2008年05月発行

画像診断

経過観察中に自然退縮した単純性腎囊胞

著者: 澁谷忠正1 佐藤文憲1 三股浩光1

所属機関: 1大分大学医学部腫瘍病態制御講座泌尿器科学

ページ範囲:P.434 - P.435

文献概要

 患 者 32歳,男性。

 家族歴 特記すべきことなし。

 既往歴 特記すべきことなし。

 現病歴 集団検診で腹部超音波検査上,左腎囊胞を指摘され,2005年9月下旬,精査目的で当科を受診した。当科で施行した腹部超音波検査およびCT検査にて左単純性腎囊胞と診断し,有症状もなく外来経過観察とした(図1a,b)。

 経 過 経過観察中2007年8月上旬に,腹部超音波検査で左単純性腎囊胞の縮小を認めた。同年8月下旬に撮影したCT画像では,造影剤の腎外への流出や囊胞内溶液流出による腎周囲のdensityの変化も見られず,左腎囊胞は退縮していた(図2a,b)。囊胞は腎実質よりもhigh densityを示す壁肥厚を認め,囊胞存在部位であった腎実質は陥凹を認めた。また,経過観察中に側腹部痛や血尿などの症状は認められず,外傷などの既往も認めなかった。

参考文献

1)徳地 弘,山本雅一,賀本敏行:突然の腹部膨満を主訴に発症した腎囊胞自然破裂の1例.泌尿紀要50:323-326,2004
2)Nishiyama K, Nakagawa M, Harada N, et al:Spontaneous regression of renal cysts:a case report. Nishinihon J Urol 68:445-448, 2006
3)竹林茂生:特集 腎泌尿器科疾患のわかりやすい画像診断―正常画像と異常画像.腎血管性疾患.腎と透析59:306-311,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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