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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科62巻8号

2008年07月発行

症例

自然破裂した腎血管筋脂肪腫

著者: 澤崎晴武1 岡所広祐1 高橋毅1 瀧洋二1 竹内秀雄1

所属機関: 1公立豊岡病院泌尿器科

ページ範囲:P.617 - P.619

文献概要

 症例は35歳,女性。右側腹部痛,嘔気・嘔吐を主訴に受診した。来院時ショック状態であった。緊急CTにて右腎周囲に血腫および右腎に1cmの動脈瘤を伴う5.5cmの腫瘍を認めた。エコーでは腫瘍は高エコーを呈していた。以上の所見より,右腎血管筋脂肪腫の自然破裂と診断した。同日,緊急腎動脈塞栓術を施行した。塞栓終了後より全身状態は安定した。腎血管筋脂肪腫は突然破裂し,多量の出血をきたした場合,生命に危険が及ぶこともある。CTによる迅速な診断と治療(動脈塞栓,腎保存手術,腎摘除術)が必要である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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