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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科62巻9号

2008年08月発行

手術手技 尿失禁に関連した手術・4

性器脱手術―骨盤臓器脱と尿失禁

著者: 岡嶋祐子1 池田和則1 岡本香織1 大川玲子1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構千葉医療センター産婦人科

ページ範囲:P.667 - P.671

文献概要

要旨:当科において過去8年間に179例の骨盤臓器脱(pelvic organ prolaps:POP)手術が行われたが,この間に術式は確実に変化している。検討し得た腟壁形成術症例113例のうち,術前に尿失禁を自覚していたもので,術後自覚が消失したものは39例で全体の34.5%であった。術前後ともに尿失禁を認めたものは7例,6.2%であった。術後初めて尿失禁となったものは1例,0.8%であった。従来のsite-specific repairに代わって,total repairという新しいコンセプトで始まったTVM手術は排尿・排便・性機能など多方面からの検討が必要である。

参考文献

1)北条慶一(編):骨盤外科―機能温存と再建.医歯薬出版,東京,1982
2)Petros PP and Ulmsten U:An integral theory and its method for the diagnosis and management of female urinary incontinence. Scand J Urol Nephrol S 153:1-93, 1993
3)岡嶋祐子,錦見恭子,他:TVT手術後尿閉をきたした一例.日本女性骨盤底医学会誌 3:78-81,2006
4)The TVM group:Conceptual advances in the surgical management of genital prolapse. J Gynecol Obstet Biol Reprod 33:577-587, 2004
5)竹山政美,木村俊夫:TVMテクニック.金原出版,東京,2008
6)島田 誠,佐々木春明,他:性器脱手術と尿失禁手術の併用について.日本ウロギネコロジー研究会誌 1:55-59,2004
7)武井実根雄:当院における術式選択に関する考え方.日本ウロギネコロジー研究会誌 1:60-62,2004
8)嘉村康邦,宍戸啓一,他:膀胱脱修復術と腹圧性尿失禁(SUI)―当科におけるプロトコール.日本ウロギネコロジー研究会誌 1:63-65,2004
9)井上裕美:Posterior-IVSと尿失禁.日本ウロギネコロジー研究会誌 1:66-68,2004
10)平井光三,安井智代,他:腹圧性尿失禁と性器脱に対する同時手術の適否についての検討.日本ウロギネコロジー研究会誌 1:69-71,2004
11)古山将康,吉田晋得,他:性器脱手術時にTVTを併用した症例に対する臨床的検討.日本ウロギネコロジー研究会誌 1:72-74,2004
12)朝日新聞2007年3月24日

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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