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「プロメテウス解剖学アトラス―頸部/胸部/腹部・骨盤部」―坂井建雄,大谷 修 監訳 フリーアクセス
著者: 佐々木克典1
所属機関: 1信州大学・組織発生学
ページ範囲:P.89 - P.89
文献購入ページに移動本書の図の特徴は,透明感である。ギリシャ神話に登場する女神や妖精が透けた衣類を身につけ,舞うようなイメージの図が数多く挿入されている。この透かしの技法は日本の芸術にも時折みられるが,ヨーロッパが得意とするものであり,カメオ職人が,自分が彫った妖精をみせながら,透けている状態を掘り出す難しさを,熱を込めて語ってくれたことを思い出す。この技法は1枚の図の中で,お互いの臓器の関係,特に裏側にある血管との関係を表現するために極めて有効に使われており,その描き方はまさに芸術である。
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