文献詳細
画像診断
文献概要
患 者 80歳,男性。
主 訴 肉眼的血尿。
既往歴 高血圧,慢性硬膜下血腫。
現病歴 上記主訴にて2005年11月初診。受診時,尿沈渣で血尿を認めず,排尿障害・排便障害も認めなかった。腹部超音波検査,腹部CTで,前立腺と連続し内部に囊胞を含む骨盤内腫瘤を認めた。膀胱鏡を施行したところ,膀胱左側全体に膀胱外からの圧排と考えられる突出を認めたが,前立腺部尿道・膀胱内に異常を認めなかった。
検査所見 軽度の貧血以外,血液一般検査は正常範囲内であった。血清PSAは475.4ng/ml と高値であった。尿細胞診はClass Ⅲであった。
画像所見 腹部CTでは,内部に囊胞を含む,前立腺と連続した径20×15cmの骨盤内腫瘤を認めた(図1)。DIP(drip infusion pyelography)では,膀胱左側に圧排による欠損像を認めたが,水腎症は認めなかった(図2)。骨盤部MRIでは,内部に巨大な囊胞を含む前立腺を認めたが,周囲への明らかな浸潤は認めなかった(図3,4)。骨シンチでは,明らかな転移を認めなかった。
主 訴 肉眼的血尿。
既往歴 高血圧,慢性硬膜下血腫。
現病歴 上記主訴にて2005年11月初診。受診時,尿沈渣で血尿を認めず,排尿障害・排便障害も認めなかった。腹部超音波検査,腹部CTで,前立腺と連続し内部に囊胞を含む骨盤内腫瘤を認めた。膀胱鏡を施行したところ,膀胱左側全体に膀胱外からの圧排と考えられる突出を認めたが,前立腺部尿道・膀胱内に異常を認めなかった。
検査所見 軽度の貧血以外,血液一般検査は正常範囲内であった。血清PSAは475.4ng/m
画像所見 腹部CTでは,内部に囊胞を含む,前立腺と連続した径20×15cmの骨盤内腫瘤を認めた(図1)。DIP(drip infusion pyelography)では,膀胱左側に圧排による欠損像を認めたが,水腎症は認めなかった(図2)。骨盤部MRIでは,内部に巨大な囊胞を含む前立腺を認めたが,周囲への明らかな浸潤は認めなかった(図3,4)。骨シンチでは,明らかな転移を認めなかった。
参考文献
1)沼田 功,棚橋善克,福崎 篤,他:前立腺のう腫の2例.西日泌尿 43:1185-1190,1981
2)橋本邦宏,田中 学,奥谷卓也,他:囊胞形成をきたした前立腺癌の1例.西日泌尿 56:1224-1228,1994
3)福森知冶,浜尾 巧,桜井紀嗣,他:囊胞形成を伴った前立腺癌の1例.西日泌尿 57:80-83,1995
4)松本明彦,後藤智隆,黒岡雄二:前立腺囊胞を伴う前立腺癌の1例.泌尿器外科 16:703-707,2003
5)福本哲也,俊野昭彦,丹司 望,他:囊胞形成をきたした前立腺癌.臨泌 59:157-160,2005
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