文献詳細
特集 泌尿器科領域の漢方療法―エキスパートに聞く
文献概要
要旨 泌尿器科領域として,古くは,排尿困難,浮腫,性機能障害,不妊症などが主な疾患であったと考えられる。臓器としても腎が中心で,腎は,生殖,成長,発育,排尿や水液の代謝,呼吸にも関与する。腎気が不足した腎虚では夜間頻尿となり,腎気の固摂作用(固護し統摂する。すなわち,血を循行させ外溢させない,尿,分泌液,津液などを正常に分泌し,過度に排泄させない)が低下すると腎気不固となり,摂津できないと頻尿,多尿,尿失禁,摂精できないと遺精,早漏などになる。腎精の不足は,性欲の低下,インポテンツ,不妊などを呈する。膀胱は州都の官といわれ,尿を貯蔵し,湿邪が停滞すると,頻尿,尿意促迫,排尿痛,混濁尿,血尿,結石などを伴う。
参考文献
1)小川由英:漢方療法.最新医学別冊―腎結石・尿路結石.最新医学社,大阪,pp248-254,2007
2)小川由英:排尿異常に対する漢方診療.外科診療 97:482-488,2007
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5)高 明,木下和之,林 曉萍:中医治療学マニュアル 第一版.メディカルユーコン,京都,2004
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