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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科63巻13号

2009年12月発行

手術手技 小児泌尿器科手術Ⅱ 性器系の手術・1【新連載】

精巣固定術

著者: 生野猛1

所属機関: 1佐賀県立病院外科

ページ範囲:P.1051 - P.1056

文献概要

要旨 停留精巣治療のfirst choiceは精巣固定術と思われるが,本稿ではわれわれが鼠径部停留精巣に対して日常的に行っている精巣固定術について述べる。手術は下腹部皮膚皺線に沿った横切開を加え,浅腹筋膜を切開して鼠径管の前壁を構成する外斜筋腱膜に達し,これを線維方向に切開する。精索を挙上し内精筋膜を鈍的に切開した後,腹膜鞘状突起を剝離し,内鼠径輪で高位結紮する。精巣血管・精管は周囲の結合組織あるいは精巣挙筋から剝離して延長する。精索の延長が必要な場合は,外精筋膜を切離し,さらに内腹斜筋を切開して後腹膜腔へ向かって精索の剝離を進める。下腹壁動静脈を切離して精管・精巣血管の陰囊までの距離を短縮する。それでも精索の延長が不十分な場合には,二期的精巣固定術を考慮する。精巣固定は,精巣近傍の鞘膜と陰囊皮下あるいは陰囊中隔組織を1針ないし2針固定する。

参考文献

1)Hutson JM and Clarke MCC:Current management of the undescended testicle. Semin Pediatr Surg 16:64-70, 2007
2)日本小児泌尿器科学会学術委員会:停留精巣診療ガイドライン.日小泌会誌 14:117-152,2005
3)生野 猛,有馬 透:特集 小児泌尿器科のプリンシプルとプラクティス―停留精巣.小児外科 39:956-960,2007
4)妹尾康平,山口孝則:停留精巣の手術.臨泌 52:1001-1009,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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