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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科63巻2号

2009年02月発行

文献概要

原著

腹腔鏡下副腎摘除術と開放性手術の手術成績についての比較検討

著者: 古田希1 佐々木裕1 小出晴久1 三木淳1 木村高弘1 頴川晋1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.157 - P.163

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 腹腔鏡下副腎摘除術と開放性手術との比較検討を行った。対象は1997~2006年の片側副腎腫瘍138例で,腹腔鏡下手術が90例,開放性手術が48例であった。開放性手術への転換を6例に認めた。腫瘍径は開放性手術症例が有意に大きかったが,手術時間は同等であった。出血量は,腹腔鏡下手術で有意に少なかった。手術時間と腫瘍径は開放性手術で正の相関がみられた。出血量と腫瘍径は両術式とも相関なく,出血量と手術時間は両術式とも正の相関がみられた。術後の歩行,食事の開始,および退院までの期間は,腹腔鏡下手術症例で有意に短かった。以上より腹腔鏡下副腎摘除術は低侵襲で,術後のQOLが良好な術式といえた。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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