文献詳細
小さな工夫
泌尿器科手術後のダーマボンドを使用した皮膚縫合
著者: 稲元輝生1 安倍弘和2
所属機関: 1大阪医科大学泌尿生殖・発達医学講座泌尿器科学 2済生会静岡病院泌尿器科
ページ範囲:P.182 - P.183
文献概要
われわれはここ数年,筋膜を1バイクリル(あるいは1マクソン)で縫合し,皮下は3-0バイクリルなどの吸収糸で埋没縫合,そして真皮をrunning sutureで縫合し,表皮をダーマボンド(High Viscosity Dermabond®, Ethicon)で覆う方法を採用している(図1)。なお,真皮のrunning sutureは糸の両端はわざと結紮せずに置いておき,ダーマボンドで覆った後に両端の糸を牽引しながら真皮ぎりぎりのところで切断している(図2)。この方法の利点は創部の治癒が極めて良好なことで,場合によっては手術の翌日からシャワー浴が可能であり,美容上の面からも極めて美しいという点が挙げれらる。もちろん,術後の病棟での消毒処置はまったく不要である。
掲載誌情報