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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科63巻4号

2009年04月発行

特集 イラストレイテッド 膀胱全摘除術と尿路変向術

局所解剖

1.膀胱の臨床解剖学

著者: 秋田恵一1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科頭頸部再建学講座臨床解剖学分野

ページ範囲:P.11 - P.20

文献概要

要旨:膀胱は骨盤内に総排泄腔の前部が独立してつくられる。膀胱は単に尿器として機能するだけではなく,生殖器と非常に関連が深いために,発生は単純ではない。また機能的にも非常に複雑であるために,多くの神経と血管が分布する。これまでの骨盤の解剖は,男性を中心にして行われることが多く,記述のほとんどは男性の所見を基にしてきたといえる。しかし,女性骨盤の解剖を進めるうちに,特に骨盤内の神経の分布において,男性との違いがみられることがわかった。本稿では,膀胱の動脈を中心とした脈管系の変異をどのように考えるかについて考察し,さらに骨盤内に神経の達する経路について概説する。

参考文献

1)秋田恵一:内腸骨動脈とその枝の解剖(特集IVRと解剖).IVR会誌 18:249-253,2003
2)秋田恵一,衣袋健司,松井 修,他:骨盤内の動脈.日独医報 50:695-711,2005
3)Sasaki C, Yamaguchi K and Akita K:Spatiotemporal distribution of apoptosis during normal cloacal development in mice. Anat Rec A Discov Mol Cell Evol Biol 279:761-767, 2004
4)Yamaguchi K, Kiyokawa J and Akita K:Developmental processes and ectodermal contribution to the anal canal in mice. Ann Anat 190:119-128, 2008
5)Braithwaite JL:The arterial supply of the male urinary bladder. Br J Urol 24:64-71, 1952
6)佐藤達夫,佐藤健次:泌尿器手術に必要な局所解剖(17)―膀胱と前立腺(4)自律神経.臨泌 43:946-952,1989
7)佐藤健次,佐藤達夫:下腸間膜動脈周囲のリンパ系ならびに上下腹神経叢(仙骨前神経)の構成について.大腸肛門誌 42:1178-1192,1989
8)仲西忠之:ヒト陰部神経叢筋枝の肉眼的観察.解剖誌 42:288-295,1967
9)佐藤健次:外肛門括約筋,肛門挙筋および尾骨筋の神経支配の形態学的解析.解剖誌 55:187-223,1980
10)Akita K, Sakamoto H and Sato T:Origins and courses of the nervous branches to the male urethral sphincter. Surg Radiol Anat 25:387-392, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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