文献詳細
メディカルエッセイ
文献概要
現在,医療の現場でエビデンス・ベースド・メディスン(EBM)という言葉をよく耳にする。これは,いわゆる「エビデンス」に基づいた医療を行うことで,医療レベルを一定に保ち,医療の均てん化をはかるという意味で結構なものである。しかし,この「エビデンス」という言葉はなかなかくせ者である。使っている医師もどこまで「エビデンス」という言葉を理解して話しているのだろうか?
例えば,総回診の場面などで,患者さんの紹介の後,治療方針を議論する場面を考えてみる。ある医師が「“A”という治療法を行いたい」と述べると,他の医師から「“A”という治療にはエビデンスがあるのか」といわれる。しかし,聞かれた医師は,はたと困ってしまう。なぜか? 聞いた側の医師は,どのレベルのエビデンスを求めて聞いたのか,わからないのである。優秀な医師なら,「この“A”という治療は,欧米でのコホート研究から出されたもので,レベルⅡbのエビデンスです」と答えるかもしれない。しかし,そんなことを常に意識している医師はほとんどいない。結局,聞かれた医師はエビデンスレベルもわからず,困って立ち往生してしまうのである。
例えば,総回診の場面などで,患者さんの紹介の後,治療方針を議論する場面を考えてみる。ある医師が「“A”という治療法を行いたい」と述べると,他の医師から「“A”という治療にはエビデンスがあるのか」といわれる。しかし,聞かれた医師は,はたと困ってしまう。なぜか? 聞いた側の医師は,どのレベルのエビデンスを求めて聞いたのか,わからないのである。優秀な医師なら,「この“A”という治療は,欧米でのコホート研究から出されたもので,レベルⅡbのエビデンスです」と答えるかもしれない。しかし,そんなことを常に意識している医師はほとんどいない。結局,聞かれた医師はエビデンスレベルもわからず,困って立ち往生してしまうのである。
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