文献詳細
特集 イラストレイテッド 膀胱全摘除術と尿路変向術
手術手技 (1)基本手技
文献概要
要旨:近年,麻酔を中心とする周術期管理および手術手技・器材が格段に進歩し,それとともに悪性腫瘍に対する手術の拡大は目覚ましいものがある。しかしながら,手術が拡大するにつれ,血管に対してより侵襲的な手術操作が加えられることとなり,術中血管損傷の危険性は必然的に高まることになる。粥状硬化症の高度な病的血管を扱う血管外科疾患とは異なり,泌尿器科医が遭遇する手術の中で対象となるのは健常血管であることが多く,血管外科の基本的知識と手技に習熟することで対応可能であることが少なくない。本稿では,基本的血管外科知識と技術および術中血管損傷の処置について解説する。
参考文献
1)江里健輔,善甫宣哉:血管手術手技の基本.臨床脈管学,文光堂,東京,pp100-111,1992
2)松本賢治:腹部救急疾患と血管損傷.日本腹部救急医学会誌 24:875-877,2004
3)勝村達喜,正木久男:血管外科“べからず集”.手術 50:801-805,1996
4)松本賢治,尾原秀明,林 忍,他:下大静脈.勝村達喜監修:血管損傷―頸部・胸部・腹部,現代医療社,東京,227-232,1998
5)久保義彦,笹嶋唯博,東 信良,他:術中血管損傷の処置.手術 50:795-800,1996
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