文献詳細
特集 イラストレイテッド 膀胱全摘除術と尿路変向術
手術手技 (2)膀胱全摘除術
文献概要
要旨:女性の膀胱全摘除術は,男性に比して比較的容易である。これは男性より骨盤が広く,手術操作がしやすいこと,前立腺が存在しないため尿道前面の展開が容易であることなどによる。しかし,静脈叢の処理という骨盤内臓器特有の問題がある。具体的には子宮あるいは腟周囲の静脈叢は男性のサントリーニ静脈叢のごとく定型的な処理法を理解しておかないと出血につながる。さらに,この手術において最も注意を要する尿道周囲の処理は大切である。その手術法について概略した。
参考文献
1)藤元博行,垣添忠生:膀胱腫瘍に対する手術「女性膀胱全摘除術」.ベッドサイド泌尿器科学 手術編,改訂第3版.南江堂,東京,pp232-237,2000
2)藤元博行:泌尿器科手術と解剖 骨盤内手術(前立腺全摘除術,膀胱全摘除術)膀胱全摘除術[女性].吉田 修(監),荒井陽一,松田公志(編):新 泌尿器科手術のための解剖学.メジカルビュー社,東京,pp156-163,2006
3)藤元博行,松岡直樹:神経温存を意図しない前立腺広範切除法.荒井陽一,村井 勝,山口 脩,他(編):Urologic SurgeryシリーズNo. 6 前立腺の手術.メジカルビュー社,東京,pp82-89,2001
4)藤元博行,込山元清:女性尿道周囲の血管系の3D画像解析と膀胱尿道全摘における新しい尿道処理法の確立.Audio-Visual Journal of JUA 14(3),2008
5)山田拓郎,千歳和哉:広汎性子宮全摘出術.癌の外科―手術手技シリーズ 婦人科癌.メジカルビュー社,東京,pp20-69,1992
掲載誌情報