文献詳細
メディカルエッセイ
文献概要
尿失禁は,溢流性尿失禁から腎後性腎不全になるような状況を除けば,基本的に命にかかわることはない。しかし,当人の悩みはときに深刻で,医師が思う以上の犠牲を払っても治したいと望む人もいる。記憶に残る2人の患者について述べる。
1人は新米医者のときに出会った30代女性1,2)。二分脊椎の神経因性膀胱で,それまで泌尿器科を受診せず,自己流に腹圧排尿で対処していた。腹圧性尿失禁の治療を求めて,名古屋大学の近藤厚生先生のところに来られた。1980年代前半は,腹圧性尿失禁に対して針式膀胱頸部挙上術のStamey法が日本でも導入された時代であった。
1人は新米医者のときに出会った30代女性1,2)。二分脊椎の神経因性膀胱で,それまで泌尿器科を受診せず,自己流に腹圧排尿で対処していた。腹圧性尿失禁の治療を求めて,名古屋大学の近藤厚生先生のところに来られた。1980年代前半は,腹圧性尿失禁に対して針式膀胱頸部挙上術のStamey法が日本でも導入された時代であった。
参考文献
1)加藤久美子,近藤厚生,瀧田 徹,他:脂肪性髄膜瘤による尿失禁に対するStamey法の経験.臨泌 39:1041-1044,1985
2)Kato K, Kondo A, Takita T, et al:Incontinence in female neurogenic bladders:resolution by endoscopic bladder neck suspension. Brit J Urol 59:523-525, 1987
掲載誌情報