文献詳細
特集 イラストレイテッド 膀胱全摘除術と尿路変向術
術前・術中・術後の管理とその対策 (2)術中合併症とその対策
文献概要
要旨:尿路変向術を必要とする膀胱全摘除術は,泌尿器科手術の中では侵襲が大きく,手術結果が術後の治療成績やQOLに大きく影響する手術である。また,多くの手術工程があり,多様な手技が求められるため,骨盤・腹部の局所解剖を熟知したうえで行うことが要求される難易度の高い手術でもある。そして,原疾患の予後や術前の全身状態を評価し,手術時間,出血量,あるいは術中・術後合併症など手術侵襲のリスクを考慮したうえで,膀胱全摘術から尿路変向・再建術まで予定した術式の手技や特性を理解して手術に臨む必要がある。さらに,手術に際しては,良好な術野を確保し,直視下で常に安全確認をしながら操作を進め,途中休憩など余裕を持って計画的に手術に臨むことが大切である。
参考文献
1)上田公介,郡 健二郎:特集 膀胱全摘術と尿路変向術の全て.Ⅵ術後管理と合併症対策―3術中合併症とその対策(1)血管損傷とその対策.臨泌 50(増刊):255-261,1998
2)金山博臣:特集 膀胱全摘術と尿路変向術の全て.Ⅵ術後管理と合併症対策―3術中合併症とその対策(2)腸管損傷とその対策.臨泌 50(増刊):263-269,1998
3)Webb MJ:Mayo Clinic Manual of Pelvic Surgery, 2nd ed. Medical View Co. Ltd, Tokyo, 2002
4)草野 悟:手術学入門,第一版,メディカル葵出版,東京,1989
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