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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科63巻9号

2009年08月発行

文献概要

原著

前立腺肥大症に合併した過活動膀胱患者へのα1遮断薬と抗コリン薬の併用療法―シロドシンとイミダフェナシンの併用効果

著者: 西野好則12 菊地美奈23 増栄孝子23 三輪好生23 出口隆23 守山洋司24

所属機関: 1西野クリニック 2岐阜排尿障害グループ 3岐阜大学医学部泌尿器科 4岐阜赤十字病院泌尿器科

ページ範囲:P.719 - P.726

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 前立腺肥大症における排尿障害は,排尿症状のみならず蓄尿症状を伴うことが少なくない。その治療にα1遮断薬が繁用されるが,蓄尿症状の改善が不十分,または改善まで長期間を要する症例も存在する。筆者らは,前立腺肥大症により排尿症状と蓄尿症状を併せ持つ34症例を対象に,α1遮断薬を投与後に抗コリン薬を併用した症例とα1遮断薬のみ投与した症例との2群で治療効果を比較検討した。その結果,国際前立腺症状スコア(IPSS)と過活動膀胱症状スコア(OABSS)からα1遮断薬と抗コリン薬の併用により排尿症状と蓄尿症状のすみやかな改善が認められ,安全性にも問題がなかった。α1遮断薬と抗コリン薬の併用は,前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療にとって有用な選択肢となり得る。

参考文献

1)日本排尿機能学会男性下部尿路症状診療ガイドライン作成委員会:男性下部尿路症状診療ガイドライン,ブラックウエルパブリッシング,東京,2008
2)日本排尿機能学会過活動膀胱診療ガイドライン作成委員会:過活動膀胱診療ガイドライン,ブラックウエルパブリッシング,東京,2005
3)Yoshida M, Homma Y and Kawabe K:Silodosin, a novel selective alpha 1A-adrenoceptor selective antagonist for the treatment of benign prostatic hyperplasia. Expert Opin Investig Drugs 16:1955, 2007
4)島田英世,矢船明史,芝田 仁,他:Imidafenacin(KRP-197/ONO-8025)の第Ⅰ相臨床試験―健康成人におけるimidafenacin単回投与時の安全性および薬物動態の検討.臨床医薬 23:263,2007
5)島田英世,芝田 仁,平原好文,他:Imidafenacin(KRP-197/ONO-8025)の第Ⅰ相臨床試験―健康成人におけるimidafenacin反復投与時の安全性および薬物動態の検討.臨床医薬 23:249,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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