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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科64巻11号

2010年10月発行

雑誌目次

特集 外来で行う泌尿器科手術―私のテクニック

外来での麻酔

著者: 岩澤晶彦

ページ範囲:P.799 - P.802

要旨 外来で行う泌尿器科の手術に関して,麻酔をどのように行うのかが問題となる。日帰り手術において患者にリスクを与えず,安全に麻酔が行われ,手術を完遂することが目的である。そこで,外来手術の際に行われている全身麻酔と局所麻酔の種類を述べ,外来で施行できる泌尿器科の検査の代表である膀胱鏡と前立腺生検および日帰り手術と,その麻酔方法について言及する。

包茎手術

著者: 飯ヶ谷知彦

ページ範囲:P.807 - P.811

要旨 元来良識ある泌尿器科医にとっては,仮性包茎は手術の対象にはならないのは当然である。事実,真性包茎に対応する英訳医学用語はphimosisであり,嵌頓包茎に対応する用語はparaphimosisであるが,仮性包茎に対応する用語は見当たらない。仮性包茎は病気ではなく,通常の当たり前の状態なのである(図1)。唯一,割礼をしていない仮性包茎に対応する英訳は,non cutである。にもかかわらず,仮性包茎をいかにも不衛生だとか,癌の発生率がどうのこうの言って不安を煽って手術を勧めるような医療とは,一線を画さねばならないのは泌尿器科学を真摯に学んできたわれわれにとっては当然の責務である。

外来ESWL

著者: 芳賀一徳 ,   佐藤嘉一

ページ範囲:P.815 - P.822

要旨 体外衝撃波砕石術(ESWL)は,1984年当院に国内第1号機が導入されて以来,画期的な低侵襲治療として広がっている。第3世代の機器の進歩により砕石効率は改善し,症例の蓄積により安全性が確認されてますます普及し,現在尿路結石症の治療の8割を超えている。この低侵襲性により近年では安全に外来的に施行することも可能となり,さらなる症例の増加が予想されている。ここでは,ESWLのこれまでの機器の進歩と,当院での25年間の経験を基に,ガイドラインを含めた国際的な現状を示すとともに,外来ESWLの適応と,当院でのフローチャート,ESWL治療と外来管理の留意点などを中心に述べる。

当センターにおける精巣生検法

著者: 田井俊宏 ,   永尾光一 ,   小林秀行 ,   尾崎由美 ,   片桐由起子 ,   中島耕一

ページ範囲:P.827 - P.830

要旨 近年,精巣生検は男性不妊症に対する診断目的よりも,無精子症に対する精巣内精子回収の目的が主流となっている。精子回収目的として行う際,血性ホルモン値などで適切な治療を選択する必要がある。当院においてTESE・MDTESEともに局所麻酔下にて日帰り手術として施行している。ほとんどの症例において苦痛の訴えはなく,軽度の痛みを感じる症例でも手術不可能であった例は認められなかった。

精巣内精子採取術

著者: 辻村晃 ,   高尾徹也 ,   宮川康

ページ範囲:P.833 - P.836

要旨 非閉塞性無精子症患者に対しては,入院のうえMD-TESE施行を筆者らの原則としている。閉塞性無精子症患者は希望があれば外来でTESEを行うが,閉塞性が強く疑われた患者の1割でTESEにて精子の確保が不可能であったことを強調しておく。術式は,局所麻酔下に陰囊皮膚を約1cm切開,精巣鞘膜,精巣白膜を順次切開後,露出した精巣組織をハサミもしくは鑷子で採取するものである。術中,疼痛管理とともに患者の緊張をほぐす配慮が必要である。

症例

メタロβ-ラクタマーゼ産生緑膿菌感染による腎盂腎炎

著者: 酒本護 ,   明石拓也 ,   石川成明 ,   長瀬典子 ,   瀧康則 ,   遠山一喜

ページ範囲:P.841 - P.843

65歳,男性。左下腹部痛を主訴に当院救急外来を受診した。CT検査,血液検査,検尿にて左尿管結石およびこれに伴う左水腎症性腎盂腎炎と診断した。培養検査にて,中間尿,左腎盂内尿,および動脈血からメタロβ-ラクタマーゼ産生緑膿菌を検出した。左経皮的腎瘻造設術を契機に敗血症性ショック,急性呼吸促迫症候群をきたした。しかし,エンドトキシン吸着療法,人工呼吸器管理,体外衝撃波結石破砕術などの集学的治療により救命し,左尿管結石も治癒できた。

凝血塊による尿道バルーンカテーテル閉塞を繰り返した右腎動静脈奇形

著者: 宮澤慶行 ,   佐々木靖 ,   中野勝也 ,   中田誠司 ,   高橋溥朋 ,   潮田隆一

ページ範囲:P.845 - P.848

症例は69歳女性。肉眼的血尿を主訴に受診した。腹部CTで右腎盂に接する異常血管影を認め,右腎動脈背側枝上極枝の分枝を主流動脈とする右腎AVMが疑われた。右腎動静脈奇形と診断し,選択的腎動脈塞栓術を行い,nidusの消失,止血を得ることができた。その後血尿は認めず,経過良好である。

インディアナパウチ内に発生した大腸腺癌

著者: 池田健一郎 ,   望月英樹 ,   石田吉樹 ,   小深田義勝 ,   田辺徹行 ,   水谷雅巳

ページ範囲:P.849 - P.851

症例は76歳,男性。1996年1月,膀胱癌(T2N0M0)に対して膀胱全摘除術,インディアナパウチ造設術を施行。2007年2月,導尿困難精査目的のDIP(drip infusion pyelography)にて代用膀胱内に陰影欠損。CTにて傍大動脈リンパ節転移,多発肺転移,代用膀胱鏡検査にて内腔前壁に3cmの腫瘍を認め,腫瘍生検を施行。病理結果は大腸腺癌であり,大腸癌T2N2M1の診断で,全身化学療法(FOLFOX)を施行したが,治療開始後4か月で癌死した。

脊髄係留症候群術後に膀胱機能が改善した神経因性膀胱

著者: 北本興市郎 ,   玉田聡 ,   川嶋秀紀 ,   仲谷達也

ページ範囲:P.853 - P.855

症例は42歳,女性。主訴は頻尿,尿失禁。各種検査により潜在性二分脊椎,脊髄係留症候群に伴う神経因性膀胱と診断した。麻痺の進行を認めたため,係留解除術を行ったところ膀胱機能は著明に改善し,膀胱拡大術などの侵襲的な治療を回避し得た。

化学療法が著効したベリニ管癌

著者: 加藤実 ,   玉田聡 ,   北本興市郎 ,   川嶋秀紀 ,   岩井謙仁 ,   仲谷達也

ページ範囲:P.857 - P.860

症例は27歳,女性。左鎖骨上リンパ節腫大を主訴に受診し,生検により転移性腺癌と診断された。PET-CTより,リンパ節,肺,骨に多発性転移を有する左腎癌と診断し,経腹膜的腎摘除術を施行した。病理組織検査でベリニ管癌と診断し,ゲムシタビンとカルボプラチンの併用療法を施行した。著明な抗腫瘍効果を認めたが,4コース終了後急激に全身状態が悪化し,死亡した。病理解剖による死因は心タンポナーデであった。

学会印象記

「第105回米国泌尿器科学会(AUA)」印象記

著者: 安藤亮介

ページ範囲:P.862 - P.863

 第105回米国泌尿器科学会が,2010年5月29日~6月3日,カリフォルニア州サンフランシスコで開催されました。サンフランシスコは米国西海岸を代表する大都市であり,ロサンゼルスと共にカリフォルニア経済,金融,工業の中心地として知られています。サンフランシスコには,ゴールデンゲートブリッジやフィッシャーマンズワーフなどの見所が多く,坂の多い市内を伝統あるケーブルカーが走る人気の観光地でもあります。サンフランシスコは年間を通じて気温差が少なく,どの時期に訪れてもすごしやすいと言われています。今回の学会期間中も,朝方,夕方に冷え込むこともありましたが,日中は連日気持ちの良い晴天が続き,快適にすごすことができました。

 さて,学会会場は市内最大のコンベンションセンターであるモスコーニセンターで,モスコーニ・サウス,ノース,ウエストの3つの建物に分かれていました。モスコーニセンターは,柱を用いない独自の建築方法で建てられており,とても開放感のある会場でした。今年の一般演題は約2,200あり,日本からは約170演題が採択されていました。AUAでは,早朝からさまざまなcourse,moderated poster session,podium session,video sessionが同時進行しており,効率よく興味あるsessionを見てまわるのに頭を悩ませていました。そこで,毎朝7時半から始まるplenary sessionを見ることを日課としました。plenary sessionでは,前日のhighlightsから,news,panel discussionsなどがテンポよく次々と進行し,聴衆を飽きさせることがありませんでした。

「第105回米国泌尿器科学会(AUA)年次総会」印象記

著者: 後藤章暢

ページ範囲:P.864 - P.865

 第105回アメリカ泌尿器科学会年次総会は,5月29日~6月3日までの6日間,北緯37度,西経122度のサンフランシスコのMoscone Centerにて開催された。サンフランシスコはサンフランシスコ湾と太平洋の間に挟まれた長さ50kmの半島の先端にある。面積は約125平方km,人口は約75万人。また周辺の9つの地域を含めると600万人を越え,起伏に富んだ美しい地形で,市内には43か所もの丘があり,中でも有名な7か所の丘はダウンタウン周辺にある。学会期間中,多くの日本人泌尿器科医が学会のあいまをみつけ,世界的に有名なFisherman's WharfやAlcatraz,Golden Gate Bridgeなどに観光に出かけていた。気候は朝晩が冷え込み,ときおり雨が降るときがあったが,日が当たる日中はすがすがしい陽気であった。

 学会場では2,000以上の演題が発表され,日本からはそのうちの約1割にあたる228演題が発表された。例年に比べ学会参加者の数が少なく感じられ,日本からの参加者はのべ約300名であった。会場はMoscone CenterのNorth,South,Westを中心に,近くのマリオットホテルも使用された。巨大なコンベンションセンターではあるが,会場内のアクセスがよくなく,各セッション会場間の移動に時間が取られ,参加者からは不満の声が上がっていた。しかし,日本国内と比べると規模的にはやはり桁違いである。

病院めぐり

仁鷹会たかの橋中央病院泌尿器科

著者: 林睦雄

ページ範囲:P.866 - P.866

<病院の沿革>

 たかの橋中央病院は,前身の林耳鼻咽喉科から1988年(昭和63年)5月に泌尿器科,内科,外科,整形外科,耳鼻咽喉科の5診療科106床の病院として開設され,尿路結石治療を中心に発展をとげてきた。外科では体腔鏡下手術を県内で先がけて始め,2000年より脳神経外科によるガンマーナイフ治療,2003年より血管外科による鏡視下下肢静脈瘤手術,泌尿器科で高密度焦点式超音波(HIFU)治療を始めた。本年より口腔外科,皮膚科を加え,現在9診療科,常勤医15名,非常勤医10名で,月曜から土曜日まで(木,土曜は午前)の診療で,1日平均外来患者数約300人,入院平均87人,平均在院日数13日で,特化した医療を中心に急性期型の中規模病院として広島市の中心地で地域医療を担っている。

倉敷成人病センター泌尿器科

著者: 高本均

ページ範囲:P.867 - P.867

 当院は,須原銀兵衛(前理事長)が1971年8月に財団法人倉敷成人病センターとして開設しました。現在の理事長は新井達潤(2006年8月就任)で,病床数269床,常勤医師61名(研修医3名),非常勤医師24名です。電子カルテは2003年10月に導入されました。当院の最大の特徴は日本でも数少ないシャワートイレ付きの全床個室です。それにより,患者のプライバシーの尊重,院内感染の防止が向上しました。また,関連施設として健診センター,ライフタウンまび(老人保健施設),真備中央病院(一般病棟80床)と,海外にジャパングリーンクリニック(シンガポール),ジャパングリーンメディカル(ロンドン),上海グリーンクリニック(上海)があります。詳細は倉敷成人病センターのホームページ(http://www.fkmc.or.jp/)をご覧ください。

 泌尿器科は,1980年4月荒木徹先生が初代常勤医として発足し,その後常勤医として山下,吉田,藤本,畠,賀来,森,伊藤,佐古,國富,石井,黒瀬,市川,野崎,岸本,真弓先生が,また阪大から原,古賀,山中,高橋,塩塚,佐藤,小林,向井先生が在席されました。現在は高本 均(1973年卒),石戸則孝(1978年卒),山本康雄(1988年卒),塩塚洋一(1996年卒),中田哲也(1999年卒),佐古智子(2003年卒)の6名です。月曜から金曜日まで,朝8時から早朝カンファレンスを行っていますが,月曜はオープンシステムを取っている「あらき腎・泌尿器科クリニック」(院長:荒木 徹,副院長:門田晃一),「腎・泌尿器科くにとみ医院」(院長:國富公人)の3名を加え,9名でにぎやかな討議を行っています。今年4月から6名体制になり,通常の外来とは別に専門外来を増設しました(月曜午後:女性外来,不妊外来,水曜午後:腫瘍外来,金曜午前:ED外来,金曜午後:結石外来)。

書評

「イラストレイテッド外科手術 第3版 膜の解剖からみた術式のポイント」―篠原 尚,水野惠文,牧野尚彦 著 フリーアクセス

著者: 北川雄光

ページ範囲:P.804 - P.804

 私が,この『イラストレイテッド外科手術 第3版』を手にしたのは,著者である篠原 尚先生が,私が執刀する胸腔鏡下食道癌根治術を見学に来てくださったちょうど1週間後の日本外科学会総会(第110回:2010年4月)の会期中であった。第3版で新たに加えられた食道癌根治術を読み進めていくうちに,私は顔面蒼白となった。これほどまでに外科解剖を理解し,手術手技の細部に至るまで習熟している著者に対して,何という「釈迦に説法」のごときことをしてしまったことか。専門家ぶって蘊蓄を傾ける私に,優しい笑顔で「勉強になりました」とおっしゃった著者のお人柄が胸にしみた。

「アトラス 細胞診と病理診断」―亀井敏昭,谷山清己 編 フリーアクセス

著者: 藏本博行

ページ範囲:P.812 - P.812

 細胞病理診断の素晴らしい啓発書が刊行された。

 細胞診は,細胞所見を検鏡して病変全体を診断する,つまり海上に飛び出している一部の所見をもとに氷山の全体を見極めるに等しい診断法である。したがって,細胞診断にあたっては,目では個々の細胞の微細な変異を読み取りながら,これとは逆に頭の中では広角カメラのように病変全体の組織像を思考する姿勢が求められる。そのため,細胞診断の専門家であるためには,細胞の微細な変異を読み取る能力ばかりでなく,病理組織像を理解しておくことが不可欠である。

「そのまま使える医療英会話[CD付]」―仁木久恵,森島祐子,Flaminia Miyamasu 著 フリーアクセス

著者: 曽根博仁

ページ範囲:P.824 - P.824

 いうまでもなく,英語はすでに医療の世界にも深く入り込んでおり,われわれは日本にいても,日常的に英語の教科書を読んだり,英語の論文からエビデンスを抽出したり,時には国際学会で英語の発表をしたり,英語論文を書いたりもしている。最近では多くの若い医師や医療従事者が,このような英語による読み書きやフォーマルなプレゼンテーションをうまくできるようになってきた。医学英語教育の充実や,留学経験者の増加も寄与しているのだろう。しかし,このような書き言葉をベースにした医学英語に精通していても,外国人の患者さんが来るとけっこう苦労する,というのが私自身を含む多くの医療従事者にとって正直なところではないか。英語圏であれば,子どもでも知っているような症状を表す言葉がすぐに出てこなくて,もどかしい思いをすることが多い。難しい専門用語が通じにくいのは日本人患者さんでも同じであるが,簡単な表現への言い換えは英語では実際にはなかなか難しい。

『《JJNスペシャル》「治る力」を引き出す―実践!臨床栄養』―東口髙志 編 フリーアクセス

著者: 佐藤禮子

ページ範囲:P.831 - P.831

 『「治る力」を引き出す 実践!臨床栄養』,まずこのタイトルである。裏表紙には,「治るための栄養」「生きるための栄養」の大文字が跳ねる。このタイトルは,編者である東口髙志先生のイメージそのものであると,感じ入りわくわくして頁をめくった。

 期待通りの内容が展開されていた。実は,あるセミナーでご一緒した折に,人間の身体や心の仕組みと栄養問題に対する東口先生の洞察の深さに敬嘆し,感動を受けたからである。東口先生の軽妙な語り口による講演は,生きた学問を具体的現実的に伝授するもので,会場を大いに沸かせた。

「婦人科病理診断トレーニング What is your diagnosis?」―清水道生 編 フリーアクセス

著者: 八重樫伸生

ページ範囲:P.844 - P.844

 本書の特徴は,各疾患・病態が4ページでまとめられていること,各疾患のトップページに質問形式で臨床データと病理像のカラー写真が提示され,その裏ページにその解答があるQ & A形式をとっていること,その後2ページで病態と病理学的事項などの簡明な解説があること,全体を通した書式の統一が素晴らしいことなどにある。以下,本書を通読した直後の率直な感想を述べる。

 日本婦人科腫瘍学会では卵巣がん,子宮体がん,子宮頸がんの3つの治療ガイドラインを発刊し,数年ごとに改訂を繰り返している。ガイドライン作成委員長をしながら改めて感じることは,「治療のスタートは常に病理診断にある」ということである。一方で,科学の進歩に伴い,婦人科腫瘍の領域でも疾患の病態理解は年々変化し続けており,それをフォローしつつガイドラインに反映していくことは重要である。例えば,子宮頸部病変でいえば悪性腺腫と分葉状頸管腺過形成(LEGH)の概念がそうであるし,卵巣の境界悪性腫瘍での浸潤性インプラントがそうであろう。こういった疾患概念の提唱や病理診断基準の変化を理解する病理医による的確な病理診断が治療のスタートになり,臨床の場にも即座に反映される。

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編集後記 フリーアクセス

著者: 藤岡知昭

ページ範囲:P.872 - P.872

 今年の夏は,世界各地における異常気象,すなわち,連日の猛暑・熱中症や豪雨による水害・土砂災害がニュースを賑わしています。小生は,みちのく・岩手で猛暑と縁遠く比較平穏な日々を過していましたが,8月12日,今まで経験したことのない大変な事態・台風の恐怖に直面することになりました。日本海を北上していた台風4号が秋田市付近に直接上陸した後,その勢力を保ったままで田沢湖・秋田駒ケ岳から岩手山付近を通過,盛岡市付近を直撃するという極めて珍しい事態が発生しました。

 大学より帰宅時,遠くでの雷鳴を伴った雨が降っており,いつもより夕闇が早いように感じましたが,風はなく,さしたる危機感ありませんでした。家路を急ぐ車のフロントガラス越しに,突如,稲妻の閃光とともに雷の大音が響き,落雷が近いと直感しました。その落雷の場所はすぐにわかりました。進行方向のT字路の信号機が破壊され,その付近は停電で真っ暗になりました。幸いにも走行している車が少なかったので,他の車と衝突することなく,なんとか正常に点灯している信号器にたどりつきました。暴風とともに雷鳴・稲妻が続き,豪雨と路肩水路より溢れた濁流により路面は水浸しとなり,一部は水没してしまいました。まさに,テレビのニュースで放映されているゲリラ豪雨そのものでした。車が支障なく走り続けることを祈るしかありませんでした。

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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