文献詳細
書評
「婦人科病理診断トレーニング What is your diagnosis?」―清水道生 編 フリーアクセス
著者: 八重樫伸生1
所属機関: 1東北大学病院/産婦人科
ページ範囲:P.844 - P.844
文献概要
日本婦人科腫瘍学会では卵巣がん,子宮体がん,子宮頸がんの3つの治療ガイドラインを発刊し,数年ごとに改訂を繰り返している。ガイドライン作成委員長をしながら改めて感じることは,「治療のスタートは常に病理診断にある」ということである。一方で,科学の進歩に伴い,婦人科腫瘍の領域でも疾患の病態理解は年々変化し続けており,それをフォローしつつガイドラインに反映していくことは重要である。例えば,子宮頸部病変でいえば悪性腺腫と分葉状頸管腺過形成(LEGH)の概念がそうであるし,卵巣の境界悪性腫瘍での浸潤性インプラントがそうであろう。こういった疾患概念の提唱や病理診断基準の変化を理解する病理医による的確な病理診断が治療のスタートになり,臨床の場にも即座に反映される。
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