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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科64巻11号

2010年10月発行

書評

「婦人科病理診断トレーニング What is your diagnosis?」―清水道生 編 フリーアクセス

著者: 八重樫伸生1

所属機関: 1東北大学病院/産婦人科

ページ範囲:P.844 - P.844

文献概要

 本書の特徴は,各疾患・病態が4ページでまとめられていること,各疾患のトップページに質問形式で臨床データと病理像のカラー写真が提示され,その裏ページにその解答があるQ & A形式をとっていること,その後2ページで病態と病理学的事項などの簡明な解説があること,全体を通した書式の統一が素晴らしいことなどにある。以下,本書を通読した直後の率直な感想を述べる。

 日本婦人科腫瘍学会では卵巣がん,子宮体がん,子宮頸がんの3つの治療ガイドラインを発刊し,数年ごとに改訂を繰り返している。ガイドライン作成委員長をしながら改めて感じることは,「治療のスタートは常に病理診断にある」ということである。一方で,科学の進歩に伴い,婦人科腫瘍の領域でも疾患の病態理解は年々変化し続けており,それをフォローしつつガイドラインに反映していくことは重要である。例えば,子宮頸部病変でいえば悪性腺腫と分葉状頸管腺過形成(LEGH)の概念がそうであるし,卵巣の境界悪性腫瘍での浸潤性インプラントがそうであろう。こういった疾患概念の提唱や病理診断基準の変化を理解する病理医による的確な病理診断が治療のスタートになり,臨床の場にも即座に反映される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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