臨床泌尿器科64巻11号

2010年10月発行

症例

凝血塊による尿道バルーンカテーテル閉塞を繰り返した右腎動静脈奇形

著者： 宮澤慶行¹ 佐々木靖¹ 中野勝也¹ 中田誠司¹ 高橋溥朋¹ 潮田隆一²

所属機関： ¹足利赤十字病院泌尿器科 ²足利赤十字病院放射線科

ページ範囲：P.845 - P.848

文献概要

症例は69歳女性。肉眼的血尿を主訴に受診した。腹部CTで右腎盂に接する異常血管影を認め，右腎動脈背側枝上極枝の分枝を主流動脈とする右腎AVMが疑われた。右腎動静脈奇形と診断し，選択的腎動脈塞栓術を行い，nidusの消失，止血を得ることができた。その後血尿は認めず，経過良好である。

参考文献

1）Cura M, Elmerhi F, Suri R, et al：Vascular malformations and arteriovenous fistulas of the kidney. Acta Radiol 2：144-149, 2010

2）山田大介，西口　潤，高尾　彰，他：腎動静脈奇形の2例．西日泌尿 71：479-482，2009

3）水野隆一，中川　健，大東貴志，他：腎動静脈瘻に対する選択的動脈塞栓術の検討．腎移植・血管外科 15：10-15，2003

4）藤田展宏，松浦隆志，境　昌宏，他：選択的動脈塞栓術にて治療しえたaneurysmal type腎動静脈奇形の1例．臨床放射線 52：342-346，2007

5）Takebayashi S, Hosaka M, Kubota Y, et al：Transarterial embolization and ablation of renal arteriovenous malformations efficacy and damages in 30 patients with long term followup. J Urol 159：696-701, 1998