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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科64巻2号

2010年02月発行

手術手技 小児泌尿器科手術Ⅱ 性器系の手術・2

陰囊水腫根治術

著者: 中村美智子1 守屋仁彦1 三井貴彦1 田中博1 野々村克也1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科腎泌尿器外科学

ページ範囲:P.129 - P.133

文献概要

要旨 小児の陰囊水腫はほとんどが交通性であり,腹膜鞘状突起の開存を原因とし,鼠径ヘルニアと同一の疾患スペクトラムに属する。そのため,水腫穿刺や硬化療法は効果がなく,感染の危険もあり,禁忌である。また1~2歳までに自然消失することもあるため,手術はそれ以降に考慮することとなる。交通性陰囊水腫の手術は鼠径部アプローチで行い,腹膜鞘状突起を内鼠径輪部で結紮し,腹水の陰囊への交通を遮断することが原則である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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