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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科64巻2号

2010年02月発行

文献概要

症例

腎盂結石の治療を契機に診断された膀胱虫垂瘻

著者: 常盤傑1 藤島洋介1 小原航1 丹治進1 藤岡知昭1 大塚幸喜2

所属機関: 1岩手医科大学泌尿器科学講座 2岩手医科大学外科学講座

ページ範囲:P.161 - P.165

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症例は58歳,男性。右側尿管結石嵌頓による急性腎盂腎炎を加療後,2008年1月,結石加療を目的に当科紹介,糞尿を認めたため,精査入院となった。11年前以降,気尿を伴なう反復する膀胱炎の既往を有していた。膀胱鏡検査で,膀胱頂部右側の瘻孔より糞便の流入を,膀胱造影検査で回盲部,上行結腸への造影剤の流出を認めた。以上より膀胱腸瘻の診断で,外科の協力を得て腹腔鏡補助小切開手術を施行した。組織学的所見により,虫垂憩室による膀胱虫垂瘻と診断した。本邦における膀胱虫垂瘻の報告は,現在まで50例があり,本症例は51例目にあたると思われる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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