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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科64巻3号

2010年03月発行

画像診断

縦隔に病変が及んだ後腹膜線維症

著者: 作間俊治1 尾畑紘史12 柏木陽一郎34

所属機関: 1新小倉病院泌尿器科 2北九州市立医療センター泌尿器科 3新小倉病院内科 4柏木内科医院

ページ範囲:P.256 - P.259

文献概要

 患 者 67歳,女性。

 主 訴 左腰痛。

 既往歴 特記すべきことなし。

 家族歴 特記すべきことなし。

 現病歴 2007年5月18日より左腰痛を自覚,近医を受診し,当院を紹介された。

 理学的所見 体格中等度,胸腹部所見なし。

 検査結果 検尿では尿潜血±,血液検査では血算は白血球11,900/mm3,血小板51×104/mm3以外は異常なし。生化学はBUN 12.1mg/dl,クレアチニン0.8mg/dlで軽度腎機能障害を認め,CRP 13.25mg/dlであった。腹部超音波検査では,左水腎症があった。腹部CT(図1)では,大動脈周囲に不整な軟部腫瘤があり。右尿管はこれにより閉塞し,右水腎症を呈していた。胸部CT(図2)において縦隔病変が明らかとなった。また,腹部MRI(図3)ではCTと同様に後腹膜線維症の所見であった。ガリウムシンチグラフィー(図4)では,腹部正中と胸部正中に集積を認めた。

参考文献

1)Koep L and Zuidema GD:The clinical significance of retroperitoneal fibrosis. Surgery 81:250-257, 1993
2)西 耕一,明 茂治,大家他喜雄,他:胸膜病変が先行した特発性後腹膜線維症と考えられる1例.日胸疾会誌 31:876-880,1993
3)堀越理紀,蝦名昭男,今井 督,他:縦隔に病変が及んだ後腹膜線維症の1例.日胸疾会誌 34:331-335,1996
4)Bahler C, Hammoud Z and Sundaram C:Mediastinal fibrosis in a patient with idiopathic retroperitoneal fibrosis. Interact Cardio Vascr Thorac Surg. 7:336-338, 2008
5)Abe Y, Shimizu T, Nagasawa S, et al:A case of posterior mediastinal and retroperitoneal fibrosis:MRI findings. Jpn J Med Imaging 22:107-111, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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