臨床泌尿器科64巻4号

2010年04月発行

特集 泌尿器科検査のここがポイント

A　問診 ED患者への問診

Q3　EDを訴える患者の問診のポイントを教えてください。

著者： 川西泰夫¹ 泉和良¹

所属機関： ¹高松赤十字病院泌尿器科

ページ範囲：P.23 - P.26

文献概要

要旨　EDに関連する疾患は多岐にわたるうえ，性機能を話題とすることに対する羞恥心に配慮するためにも，自己記入式問診票は有用である。心因性EDの治療は精神科医にゆだねるべきであり，器質性因子について明らかにしておくことが泌尿器科医の役割であるだろう。PDE5阻害剤による治療の適応となる患者に対しては，性に関する問診よりも既往症や身体状況を問診することのほうが重要である。若い患者や未完成婚の患者など，根治的な治療をめざすべき患者に対しては病因の診断につながる問診を行うことが重要である。患者のプライバシーや診療時間を考えると，問診票でスクリーニングし，治療法を念頭に置いて問診内容を掘り下げるという方法が推奨される。

参考文献

1）日本性機能学会ED診療ガイドライン作成委員会：ED診療ガイドライン．ブラックウェルパブリッシング，東京，2008

2）Rosen RC, Cappelleri JC, Smith MD, et al：Development and evaluation of an abridged, 5-item version of the International Index of Erectile Function（IIEF-5）as a diagnostic tool for erectile dysfunction. Int J Impot Res 11：319-326, 1999

3）木元康介，池田俊也，永尾光一，他：International Index of Erectile Function（IIEF）およびその短縮版であるIIEF5の新しい日本語訳の作成．日本性機能学会雑誌 24：295-308, 2009

4）Slob AK, Buitenhuis EF, Gijs L, et al：Leiden Impotence Screening Test（LIST）in men with erectile dysfunction as a pre-selective method prior to psychophysiological diagnostic tests. Ned Tijdschr Geneeskd 145：581-586, 2001