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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科64巻4号

2010年04月発行

特集 泌尿器科検査のここがポイント

B 身体診察 陰囊と鼠径部の診察

Q8 陰囊と鼠径部の診察のポイントを教えてください。

著者: 高山達也1 高田三喜2 大園誠一郎1

所属機関: 1浜松医科大学泌尿器科 2新城市民病院泌尿器科

ページ範囲:P.43 - P.45

文献概要

要旨 陰囊,鼠径部の診察は問診に続いて,視診,触診が行われる。手順として小児であるか成人であるか,緊急性の有無,全身性疾患の局所所見か局所性疾患かを常に念頭に置くことが肝要である。視診では,陰毛および外性器の発育状態,手術瘢痕,皮膚の性状,静脈怒張の有無,瘻孔の有無などを観察し,触診では,表層だけでなく深部も十分に触知する。鼠径部ではヘルニアやリンパ節,陰囊では精巣,精巣上体,精管,精索の大きさ,硬さ,腫脹などについて触知する。精巣挙筋反射も必ず行う。鑑別すべきものには,腫瘍,炎症,血管病変,奇形などがあり,疾患は多彩である。

参考文献

1)大山建司:症候からみた小児の診断学.骨盤部・鼠径部の症候,鼠径の腫瘤.小児科診療 70:472-474,2007
2)日本小児泌尿器科学会学術委員会(編):停留精巣診療ガイドライン.日小児泌尿会誌 14:117-152,2006
3)Kyono Y, Takayama T and Ozono S:Spontaneous remission of idiopathic thrombosis of the spermatic vein. BJUI org, Case Reports, 2009
4)炭山嘉伸,斉田芳久,榎本俊行:【初期臨床研修医が知っておきべき外科外来の初期診療】診断法 腹部・鼠径部診断の基本.外科治療 99:224-230,2008
5)増田宏昭,古瀬 洋,平井正孝:小児急性陰囊症の臨床的検討.西日泌尿 57:641-644,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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