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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科64巻4号

2010年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科検査のここがポイント C 尿検査 尿細胞診

Q14 尿細胞診の作製方法と観察のポイントについて教えてください。

著者: 山田貴之1 谷崎由紀子1 甲谷知代1 佐藤茂1 高橋智1

所属機関: 1名古屋市立大学病院病理部

ページ範囲:P.67 - P.70

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要旨 尿細胞診は患者に余計な侵襲を加えることなく,何度でも採取できるという点で有用な検査方法である。しかし,標本作製時に塗抹細胞がスライドガラスから剝離しやすく,適切な細胞採取や検体処理が行われないとアーチファクトが加わりやすいといった問題点がある。そのため,適切な方法で標本を作製することが望まれる。

 尿細胞診の検鏡方法は,まず低倍率にて細胞成分の多さと背景を確認し,高倍率で個々の細胞と集塊を観察していく。出現細胞の形状は尿検体の種類,標本作製方法によって影響を受けることを念頭に置きながら,核形,N/C比,核クロマチン量などを判読し,核溝の存在やpair cellの出現を考慮しながら良悪性の鑑別を行っていくことが重要である。

参考文献

1)細胞検査士会(編):細胞診標本作製マニュアル―泌尿器.細胞検査士会,東京,2004
2)金城 満,下釜達朗,奥村孝司,他:尿路系の細胞診の見方と問題点.病理と臨床 26:140-151,2008
3)今井律子,夏目園子,橋本政子,他:尿路上皮細胞に認められる核溝について.日臨細胞誌 43:311-315,2004
4)金城 満,副島朋子,渡辺寿美子,他:尿細胞診における“pair cell”の細胞学的及び臨床的意義.日臨細胞誌 38:129-135,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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