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特集 泌尿器科検査のここがポイント
C 尿検査 精液検査
文献概要
要旨 男性不妊症の診断の基本は精液検査である。検査方法には,血球計算盤から精子濃度自動分析(CASA)などがあるが,同一検体を用いても検査法により結果が異なることが問題である。特に,Makler計算盤は,原液で精子濃度と運動率が測定できることより簡便であるが,正確性に欠けることより推奨されていない。本稿では,精液検査標準化ガイドラインを基に精液検査の方法と注意点を記す。ガイドラインでは,精子運動率はスライドグラスを,精子濃度は希釈・不動化後に血球計算盤を用いて測定することが推奨されている。精液検査のポイントとしては,複数回施行すること,禁欲期間や搬送方法などの影響を加味すること,検査技師は定期的に精度管理することなどが挙げられる。
参考文献
1)World Health Organization:Laboratory manual for the examination of human semen and semen-cervical mucus interaction. 4th ed, Cambridge University Press, New York, 1999
2)World Health Organization:WHO manual for the standardized investigation, diagnosis and management of the infertile male. 1st ed, Cambridge University Press, New York, 2000
3)日本泌尿器科学会(監),精液検査標準化ガイドライン作成ワーキンググループ(編):精液検査標準化ガイドライン.金原出版,東京,2003
4)吉池美紀,岩本晃明:精液検査にMakler chamberを使用するなら知っておきたいこと.臨泌 60:1025,2006
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