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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科64巻4号

2010年04月発行

特集 泌尿器科検査のここがポイント

K 超音波検査 各種臓器の超音波検査 超音波検査による残尿測定

Q67 残尿測定の方法,近似式の使い方について教えてください。

著者: 大森聡1

所属機関: 1岩手医科大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.261 - P.263

文献概要

要旨 超音波診断装置を用いた残尿測定法としては,経腹的超音波操作による測定のほかに,残尿測定専用の携帯型3次元超音波装置(Diagnostic Ultrasound社製Bladder ScanTM BVI 6100)が挙げられる。いずれも診断装置で計測した値を用い,近似式で推定残尿量を算出する方法である。『前立腺肥大症診療ガイドライン』や『過活動膀胱診療ガイドライン』,『男性下部尿路症状診療ガイドライン』では,残尿量(ml)=(長径×短径×前後径)/2の近似式が示され,誤差率は60%とされる。残尿量の判定については,前述のガイドラインに照らし合わせた場合,有意な残尿量として50ml以上,前立腺肥大症の領域別重症度判定に必要な測定値は50ml以上と100ml以上である。この基準の判定であれば超音波計測の誤差範囲内で十分評価可能であり,臨床現場においては侵襲性の面からも推奨される測定法である。

参考文献

1)日本排尿機能学会過活動膀胱診療ガイドライン作成委員会:過活動膀胱診療ガイドライン.ブラックウェルパブリッシング,東京,2005
2)泌尿器科領域の治療標準化に関する研究班(編):EBMに基づく前立腺肥大症診療ガイドライン.じほう,東京,2001
3)Simforoosh N, Dadkhah F, Hosseni SY, et al:Accuracy of residual uine measurement in men:comparison between real-time ultrasonography and catheterization. J Urol 158:59-61, 1997
4)日本排尿機能学会男性下部尿路症状診療ガイドライン作成委員会:男性下部尿路症状診療ガイドライン,ブラックウェルパブリッシング,東京,2008
5)渡部明彦,一松啓介,伊藤祟敏,他:残尿測定における携帯型3次元超音波断層装置(BVI 6100)の有用性.泌尿紀要 54:203-206,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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