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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科64巻5号

2010年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―尿路・性器感染症における抗菌薬の使い方

総論② 尿路・性器感染症における耐性菌の現状

著者: 安田満1

所属機関: 1岐阜大学医学部附属病院泌尿器科

ページ範囲:P.289 - P.295

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要旨 尿路性器感染症の治療において,薬剤耐性菌は避けては通れない重要な問題である。単純性尿路感染症分離菌では薬剤耐性菌の頻度が少ないものの,キノロン耐性大腸菌が増加しているという報告が散見される。複雑性尿路感染症では,キノロン耐性菌やESBL産生菌の増加が認められる。多剤耐性緑膿菌は地域的に増加しているという報告もあるが,まだ分離頻度が少ない。しかし,2剤耐性菌が増加しているなど,耐性化が進んでいる。男子尿道炎では,淋菌についてはすでにキノロン耐性菌が大多数を占め,経口セフェム系薬耐性菌も30%程度を占める。またアジスロマイシン(AZM)に対しても耐性化が進んでいる。M. genitaliumではマクロライド耐性が報告されている。

参考文献

1)松本哲朗,高橋 聡,清田 浩,他:尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン(第1版).日本化学療法学会誌 57:511-525,2009
2)村谷哲郎,平賀紀行,山田陽司,他:国内で分離された単純性および複雑性膀胱炎由来大腸菌の薬剤感受性について.尿路感染症研究会記録集2004.尿路感染症研究会,東京,p11-12,2005
3)村谷哲郎,平賀紀行,山田陽司,他:国内で分離された尿路感染症患者由来大腸菌の病態別薬剤感受性.尿路感染症研究会記録集2005.尿路感染症研究会,東京,p28,2006
4)村谷哲郎,中浜 力,松本哲朗,他:尿路より分離された腸内細菌科の菌種に対する経口抗菌薬の感受性について.尿路感染症研究会記録集2006.尿路感染症研究会,東京,p32,2007
5)重村克巳,李 勝,山下真寿男,他:当院における最近5年間の大腸菌分離尿路感染症の臨床的検討.尿路感染症研究会第20回プログラム・抄録集 第19回記録集.尿路感染症研究会,東京,p70,2009
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の薬剤感受性について.尿路感染症研究会第20回プログラム・抄録集 第19回記録集,尿路感染症研究会.東京,p37,2009
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. Antimicrob Agents Chemother 46:3020-3025, 2002
. J InfectChemother 10:262-267, 2004
-positive patients with nongonococcal urethritis is associated with induced macrolide resistance. Clin Infect DIs 47:1546-1553, 2008
detected in first-pass urine of men with non-gonococcal urethritis before and after fluoroquinolone treatment. J Antimicrob Chemother 48:742-744, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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