文献詳細
書評
「臨床中毒学」―相馬一亥 監修/上條吉人 執筆 フリーアクセス
著者: 廣瀬保夫1
所属機関: 1新潟市民病院救命救急・循環器病・脳卒中センター
ページ範囲:P.298 - P.298
文献概要
本書は,第Ⅰ部が総論として「急性中毒治療の5大原則」,第Ⅱ部が中毒物質各論で構成されています。総論は,まず中毒治療の4原則,すなわち「全身管理」「吸収の阻害」「排泄の促進」「解毒薬・拮抗薬」について解説されています。全編を通じてAmerican Academy of Clinical Toxicology(AACT),European Association of Poisons Centres and Clinical Toxicologists(EAPCCT)のガイドラインなど,EBMを踏まえて記載されていて,引用文献も豊富です。しかも,EBMを重視する論説にありがちな文献的な議論にとどまらず,著者の豊富な臨床経験を踏まえた実践的な記載が多いことが大きな特徴と思います。語呂合わせも効果的に用いられて,わかりやすく整理されています。「合併症の3As」は,私も明日から研修医教育に使おうと思いました。
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