文献詳細
書評
「ダブルバルーン小腸内視鏡アトラス」―山本博徳,砂田圭二郎,矢野智則 編 フリーアクセス
著者: 松井敏幸12
所属機関: 1福岡大学 2筑紫病院消化器科
ページ範囲:P.312 - P.312
文献概要
DBEの挿入技術は著しく進歩している。それに伴いDBEの診断能も日進月歩である。本書では,まず手技に関する総論に相当のページが割かれている。その内容は,DBEの仕組み(なぜ小腸全域を観察できるのか),DBE検査を行うに当たって(知っておくべき基本事項),挿入手技(効率のよい挿入に,基本原理はここでも活きる),偶発症と防止策(特有の偶発症を理解することで,事前に防止できる),治療手技(内視鏡治療の実際)である。DBEが普及し多くの診療に使用されているが,基本に立ち戻って確実で安全な操作をしてほしいとの希望が込められている。DBEの安全性に関する治験が行われ,保険申請前でもあり,重要な願いであろう。海外にも極めて多くのDBE使用者がおり,すでにアトラスが出版されている。本書は,それに負けない内容になっていると思われる。
掲載誌情報