臨床泌尿器科64巻9号

2010年08月発行

学会印象記

「第25回欧州泌尿器科学会（EAU）」体験記

著者： 大澤崇宏¹

所属機関： ¹北海道大学医学部医学研究科腎泌尿器外科学講座

ページ範囲：P.688 - P.689

文献概要

　今年で25周年を迎えるEuropean Association of Urology congressがバルセロナで4月16日から20日にかけて開催されましたので，その報告をさせていただきます。ホームページによると，計3,594件の抄録提出（過去最高記録）の中から1,089件が採択され，Registrationは10,248人との事前情報で，過去最大の学会となる予定でした。私が在籍する北海道大学からは，篠原信雄先生と下田直彦先生の3人で参加しました。

　今回が私にとっては初めてのEAU congress参加であり，「Long-term outcome of renal function in bladder cancer patients after radical cystectomy」について「膀胱全摘術，尿路変向術が施行された患者の35.7％に術後腎機能の悪化を認め，この悪化に関わる因子としては術前後の化学療法の有無と術後の腎盂腎炎の回数が有意であり，一方，尿路変向術の術式は腎機能悪化には有意な影響を与えなかった」という内容の口演をしてきました。