文献詳細
書評
「ティアニー先生の臨床入門」―ローレンス・ティアニー,松村正巳 著 フリーアクセス
著者: 岸田直樹1
所属機関: 1手稲渓仁会病院総合内科・感染症科
ページ範囲:P.21 - P.21
文献概要
自分では言葉にできなかった,瞬時に判断するその眼力が,なんと本書では単なるセンスとして語られるのではなく,的確に文章化されている。読者には,症例によってどの陽性所見を組み合わせたかや,鑑別疾患に優先順位を与えうるclinical pearlの使い方にぜひ注目してほしい。そして,結局はティアニー先生の鑑別は2つか3つとなっている(が,2つ目以降にも,もはや重みはそれほどない)ことに気がつく。診断がつかないときは,多くの微妙な陽性所見に振り回されているのであるが,ティアニー先生にはそのブレがない。最近では,なんとかティアニー先生を振り回してやろうとケースプレゼンテーションで仕掛けている自分がいるが,敗北する。
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