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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻10号

2011年09月発行

雑誌目次

特集 頻尿・切迫性尿失禁

本企画にあたって

著者: 柿崎秀宏

ページ範囲:P.713 - P.713

 国内外の疫学調査により,頻尿,尿失禁などの下部尿路症状は加齢とともに頻度が増加し,QOLに多大な影響を与えることが報告されている。超高齢化社会を迎えるわが国にとって,下部尿路症状の原因を解明し,その予防と治療に邁進することは喫緊の課題と言っても過言ではないであろう。それでは頻尿や切迫性尿失禁はなぜ生じるのであろうか?

 下部尿路機能障害の領域では,かつては下部尿路を支配する遠心性神経支配(運動神経)の機能異常に注目が集められてきた。膀胱内圧測定を行い,蓄尿時の排尿筋の不随意収縮が証明されれば,過活動膀胱ありと診断されてきた。しかし,2002年の国際禁制学会の提唱により,過活動膀胱の定義が大転換した。尿路感染症や膀胱癌などの他疾患が除外されれば,自覚症状に基づいて過活動膀胱の診断が可能となった。現在では,尿意切迫感を主症状とし,通常はこれに頻尿や夜間頻尿を伴い,場合によっては切迫性尿失禁を認めることがある状態を包括して過活動膀胱と定義している。過活動膀胱の診断のためのバリアが引き下げられたことで,泌尿器科専門医のみならず一般医家が過活動膀胱の診療に参加することが可能となり,医療連携や疾患啓発運動が裾野を広げつつある。過活動膀胱の定義変更の大きな功績は,過活動膀胱の診療機会を泌尿器科以外にも広げたことにあると思われる。しかし,その一方で,病的知覚とされる尿意切迫感の正体がまだよく解らないというジレンマもある。尿意切迫感は正常な尿意とどう異なるのか,なぜ尿意切迫感が発生するのか? 冷えると頻尿になることは誰しもが経験するが,なぜ冷えると頻尿になるのか? 最近の下部尿路機能障害の領域の基礎・臨床研究においては,尿意が発生する機序や尿意切迫感の本態を解明すべく,膀胱求心路(膀胱知覚)に関心がシフトしている。

膀胱知覚伝達に関する最新知見

著者: 相澤直樹 ,   井川靖彦

ページ範囲:P.715 - P.720

要旨 過活動膀胱や間質性膀胱炎において,近年,膀胱知覚伝達路が大いに注目されている。膀胱における知覚伝達路に大きな役割を果たすのは,尿路上皮,間質および求心性神経である。求心性神経としては,2種類(Aδ線維とC線維)の神経線維が膀胱における正常な尿の充満知覚(尿意)および非生理的な異常知覚(尿意切迫感,膀胱痛など)を伝える役割を果たしていると考えられている。これらの膀胱知覚伝達のメカニズムに関する最新知見を概説した。

過活動膀胱の今後の展望―新しい疾患概念の導入から8年が過ぎて

著者: 吉田正貴 ,   宮本豊 ,   羽場知己 ,   右田雅子 ,   工藤惇三

ページ範囲:P.723 - P.729

要旨 国際禁制学会(ICS)から2002年に報告された新しい用語基準では,下部尿路機能に関する用語が大幅に改訂された。本邦でもこの改訂が下部尿路機能障害の診療と研究に大きな影響を及ぼす可能性が想定されたため,この日本語訳が出版された。当初はこの改定された用語基準に対して多くの懸念が挙げられ,過活動膀胱の診療への混乱が考えられたが,それらに対してさまざまな対応がなされて,大きな問題が起こることもなく現在に至っている。本稿ではこの自覚症状による定義がもたらした功罪と今後の過活動膀胱の展望について概説した。

男性の過活動膀胱の治療

著者: 山西友典

ページ範囲:P.731 - P.737

要旨 男性における過活動膀胱(OAB)の原因として,前立腺肥大症を始めとした下部尿路閉塞,神経因性膀胱,加齢などに基づく特発性,などがある。診療においては,OABなどの蓄尿症状のほかに,排尿症状,排尿後症状も念頭に置く必要がある。男性OABの治療では,α1-遮断薬が第一選択とされるが,単独では効果がみられなかった症例に抗コリン薬を少量より併用すると有効である。ただし,残尿増加,尿閉の危険性があるために,1~3か月の薬物療法でも効果がみられない場合,副作用などで治療が困難な場合,排尿困難や残尿の増加,難治性の尿路感染や水腎症がみられた場合には,泌尿器科専門医による尿流動態検査を含めた詳細な検査や,手術を含めた専門的治療が必要となる。

女性の過活動膀胱の治療

著者: 巴ひかる

ページ範囲:P.739 - P.746

要旨 わが国の女性の過活動膀胱罹患率は10.9%で,このうち63.9%が切迫性尿失禁を伴うOAB wetである。45歳以上でOAB wetが急増する理由は,骨盤底脆弱による尿道抵抗の低下と考えられる。女性のOAB wetでは排尿筋過活動の検出は59%と男性に比し低く,さまざまな理由が推測される。一部の混合性尿失禁の病態には尿道抵抗の低下が関連すると考えられ,腹圧性尿失禁が有意で症状が先行し排尿筋過活動がない混合性尿失禁では,手術により尿失禁のみならずしばしば尿意切迫感も消失する。骨盤臓器脱では過活動膀胱を20~50%に合併する。骨盤臓器脱に起因する過活動膀胱にも抗コリン薬は約60%で有効であるが,骨盤臓器脱の治療により過活動膀胱が消失する例も多い。

頻尿患者から,どのようにして間質性膀胱炎を診断するか?

著者: 梶原充 ,   金岡隆平 ,   神明俊輔 ,   瀬野康之 ,   正路晃一 ,   宮本克利 ,   増本弘史 ,   井上省吾 ,   小林加直 ,   林哲太郎 ,   亭島淳 ,   松原昭郎

ページ範囲:P.747 - P.752

要旨 わが国では,間質性膀胱炎は古典的な,いわゆる間質性膀胱炎と過知覚膀胱症候群の両者を包括した疾患として取り扱われる。抗菌薬や抗コリン薬で改善しない頻尿,膀胱痛を認める場合は間質性膀胱炎を疑い,膀胱鏡検査,膀胱水圧拡張術を行うことが重要である。膀胱鏡検査では,ハンナー潰瘍の検出が診断・治療指針の決定に重要であるが,narrow band imageが簡便で正確な新しい内視鏡診断法となることが期待される。治療は,ハンナー潰瘍を認める場合は経尿道的潰瘍切除術・焼灼術を,認めない場合は診断・治療目的に膀胱水圧拡張術を行う。その後は,症状改善とQOL向上を目的に,症例ごとに適切な治療法を探していくことが必要である。

冷えと頻尿

著者: 石塚修 ,   今村哲也 ,   野口渉 ,   栗崎功己 ,   市野みどり ,   西澤理

ページ範囲:P.755 - P.761

要旨 寒冷刺激は頻尿を誘発させるが,その機序には皮膚のTRPM8受容体や,体内の交感神経系受容体,無髄C線維の関与が示唆される。従来より,「冷え」に対して使用されることの多かった漢方製剤の有効性も,その機序による作用の可能性が示唆される。また,臨床でもその有効性が示唆され,今後のさらなる解明が期待される。

メタボリック症候群と過活動膀胱

著者: 松本成史 ,   柿崎秀宏

ページ範囲:P.763 - P.768

要旨 メタボリック症候群(metabolic syndrome:MetS)と下部尿路症状(lower urinary tract symptoms:LUTS)の関連について,近年盛んに議論されている。それは,さまざまな疫学調査で多くの共通する危険因子が存在することが報告されているからである。共通の危険因子が存在するということは,MetSの予防はLUTSの改善につながり,またLUTSの存在は,MetSの存在や危険性を示唆する可能性を秘めている。本稿では,MetSとLUTS,特に過活動膀胱(overactive bladder:OAB)にかかわる疫学の共通点を整理し,危険因子としての血流障害を議論し,治療法につき述べたい。

神経疾患による過活動膀胱の治療

著者: 仙石淳 ,   乃美昌司

ページ範囲:P.771 - P.775

要旨 神経疾患に伴う過活動膀胱は,仙髄排尿中枢より上位の中枢神経障害により神経因性排尿筋過活動を呈する疾患群をさす。脳幹部橋より上位の中枢神経障害と脊髄核上型障害に分類されるが,ともに膀胱知覚障害をきたしやすいため,symptom basedによる通常の過活動膀胱診療とは異なり,治療などの評価には客観的指標が必要となる。治療法としては,排泄介助などの行動療法,抗コリン薬やA型ボツリヌス毒素膀胱壁内注入などの薬物療法,仙骨神経刺激や経皮的頸骨神経刺激療法などのneuromodulation,膀胱拡大術などの外科的治療法が挙げられるが,原因疾患による病態と患者条件により治療方法や到達目標は異なり,個々の対応が求められる。

珍しい外陰部疾患・2

尿道上裂,尿道下裂,埋没陰茎,翼状陰茎,陰茎陰囊位置逆転

著者: 三木誠

ページ範囲:P.708 - P.709

尿道上裂(epispadias)

尿道が陰茎背部にあり,尿道の遠位側または全長にわたり尿道の背側部が欠損しており,最重症例では膀胱外反を併発する。女児においては,陰核と陰唇の間または腹部に尿道が開口する。主症状は失禁であり,治療は手術による。部分的尿道上裂では,失禁の治療予後は良好である。完全型では,陰茎の外科的再建だけでは失禁が残存する場合がある。

書評

「泌尿器科レジデントマニュアル」―郡 健二郎 監修/佐々木昌一,戸澤啓一,丸山哲史 編 フリーアクセス

著者: 大家基嗣

ページ範囲:P.721 - P.721

 本書の監修者である郡 健二郎教授(名古屋市立大学大学院腎・泌尿器科学分野)とは毎月『臨床泌尿器科』の編集会議でご一緒させていただいている。論文の審査において先生は一貫して明解な論理と広い視野で論文の意義を判断し,どうしたら内容がよりよく読者に伝わるかを常に考えておられる。日常臨床での先生の緻密さと教室員に対する高い精神性を伴った教育を私は先生のお言葉から常日頃感じ取っている。

 レジデントマニュアルは,ともすれば各種ガイドラインから拝借した標準的治療の羅列となる可能性がある。それでも,読者は気軽に参照して納得し,当初の目的は達成されるからそれで十分ではあるが,できれば理解した知識が血となり肉となってほしい。本書では要点がきちんと整理され,実践的であると同時に,執筆者の経験を根拠にした考え方やこだわりが垣間見え,レジデントマニュアルとしての範疇を超えたものになっている。あたかも郡教授を指揮者とする1つの交響楽が奏でられているかのようである。「序」で「医療をするにあたって大切なことは独自の考えをしっかり持つことだと思う」といみじくも述べられているように,私達は観察力,思考力,洞察力に磨きをかけて医師として成長していかねばならない。言葉を変えると,本書の帯に書かれているように,泌尿器科の星をめざすということである。輝くからこそ「星」であり,職業を通して社会に貢献し,キラリと光る臨床の能力は周囲から見るとまさに輝く星であろう。

「イラストレイテッド泌尿器科手術 第2集―図脳で学ぶ手術の秘訣」―加藤晴朗 著 フリーアクセス

著者: 岡根谷利一

ページ範囲:P.769 - P.769

 多数の秀逸なイラストを用いて手術手順を箇条書きにしたユニークな手術書である。注視する必要のない箇所は書いていなくて,“図脳”が“頭視(?)”した関心領域のみを描いている。確かにユニークな手術書だと思うし,さまざまな内容を網羅していてなかなか真似のできるものではない。

 加藤晴朗先生とは学生時代から信州大学の医局まで30年以上の付き合いであるが,彼でなければなかなかこのような本は書けないと思う。短距離走がめっぽう速いのと,絵がうまいのには以前から脱帽していた。旅行はインドや中国,バングラデシュ,留学はエジプト,欧米は行きたがらないという“変わった(?)”アナログ人間であり,本書のイラストはまさに彼が描き溜めた長年の手術記録にほかならない。

「プロメテウス解剖学アトラス コンパクト版」―坂井建雄 監訳/市村浩一郎,澤井 直 訳 フリーアクセス

著者: 大塚愛二

ページ範囲:P.776 - P.776

 この,『プロメテウス解剖学アトラス コンパクト版』を手にした時,「ここまでするの?」という印象を持った。

 数年前,『プロメテウス解剖学アトラス』3分冊版の翻訳を手がけた。図のすっきりした見やすいアトラスであるという印象を受けた。また,さまざまな情報を図表にまとめようという著者の熱意が伝わる書物であるとも感じた。昨年(2010年),3分冊をまとめて1冊にした「コア アトラス」が出た。こちらは価格も1万円以内で,学生にとっては手ごろな解剖アトラスとなった。

「細胞診を学ぶ人のために 第5版」―坂本穆彦 編 フリーアクセス

著者: 大野英治

ページ範囲:P.792 - P.792

 このたび,坂本穆彦教授の編集による『細胞診を学ぶ人のために 第5版』が出版された。

 本書は総論127ページ(1~8章),各論219ページ(9~15章)から成り,総論を細胞診専門医でもある6人の認定病理医が担当し,各論を癌研究会有明病院の3人のベテラン細胞検査士が分担執筆している。また今回から新たに,別表として「組織細胞診断に有用な抗体」が巻末に掲載されている。

症例

無痛性硬結を呈した小児精巣原発類表皮囊胞

著者: 渡邉真波 ,   寺西淳一 ,   黒田晋之介 ,   古屋一裕 ,   中村昌史 ,   野口和美

ページ範囲:P.781 - P.785

症例は11歳の男児で,右精巣内に無痛性の硬結を触知し当科を受診した。血液検査では腫瘍マーカーの上昇は認めず,腹部骨盤CTでも異常は指摘されなかった。触診,超音波検査上精巣腫瘍と診断し,緊急手術施行した。術中迅速病理検査の結果,類表皮囊胞と診断。腫瘍核出術を行い,精巣を温存できた。小児精巣腫瘍においては,類表皮囊胞も念頭に置き,手術適応の判断を行う必要があると考えられた。

学会印象記

「第99回 日本泌尿器科学会総会」印象記

著者: 井口太郎

ページ範囲:P.787 - P.789

 第99回日本泌尿器科学会総会が,4月21日から24日の4日間,名古屋市〔名古屋国際会議場(図1)〕で開催されました(会長 郡 健二郎教授:名古屋市立大学大学院医学研究科 腎・泌尿器科学分野)。3月11日に起こった東日本大震災のため,他領域の学会が軒並み延期・中止となるなか,日本泌尿器科学会総会も一時開催が危ぶまれたそうです。しかし,全国泌尿器科医,特に関東・東北の先生方の熱い支援・力強い声援を受けて,郡会長は開催を決意したとのことでした。

 メインテーマは本総会が第99回目にあたることから「医道白寿 永遠への途上」とされていましたが,東日本大震災にあたって急遽「陽は必ず東から昇る」が付け加えられ,泌尿器科学のさらなる発展とともに東日本の復興を願う総会となりました。その想いが会員にも伝わったのか,総会出席者は6,700名(一般参加者を含めると9,500名)を超え,各会場はどこも満員で,熱い討議が繰り広げられていました。

「第106回米国泌尿器科学会総会」印象記

著者: 本郷文弥

ページ範囲:P.790 - P.791

 第106回米国泌尿器科学会総会(AUA annual meeting)は,2011年5月14~19日にかけてワシントンDCにて開催されました。言うまでもなく東海岸に位置する米国の首都です。5月14日の成田空港51番ゲートには泌尿器科の先生方が大勢おられ,すでに学会場のような? 感じでした。また機内では偶然に慶應義塾大の城武先生がとなりの席となり,ともに米国に向かうこととなりました。私たち直行組のワシントン・ダレス空港での入国は大変スムースでした。しかし,シカゴでの乗り換え組は入国に2時間近くかかるなどやや手間取ったようです。

 学会でのトピックはいくつかありましたが,その1つは前立腺癌に対する免疫療法だと思われます。そのような中,Steven Rosenberg先生による養子免疫療法についてのプレナリーセッションでは,メラノーマとサルコーマにおける最新の臨床試験の結果や今後の展望が述べられていました。また,前立腺癌ではほかに抗RANKL抗体であるDenosumabの第三相試験の結果が発表されました。PSA値が上昇しているホルモン療法抵抗性前立腺癌患者で,骨転移は認められない男性1,434人を対象とした試験です。骨転移なしの生存期間の中央値は,プラセボ群に比べDenosumab群で4.2か月長く(25.2か月と29.5か月),初回骨転移までの期間はDenosumab群で3.7か月長いという結果でした。本邦への導入が期待されます。ほかにはAbirateroneが4月にFDAに認可されたばかりですが,ドセタキセル抵抗性の1,195例のCRPCに対する第三相臨床試験の結果が発表されておりました。全生存期間はAbiraterone+プレドニゾロン群は14.8か月で,プレドニゾロン投与群は10.9か月との結果でした。また,会場を出たところの大きな垂れ幕が大変目立っておりました。こちらも本邦への導入が期待されます。

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欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.711 - P.711

お知らせ 千里ライフサイエンスセミナー「生命科学を支えるオルガネラ研究の新展開」 フリーアクセス

ページ範囲:P.793 - P.793

日 時:2011年9月30日(金) 10:00~17:00

場 所:千里ライフサイエンスセンタービル 5階 ライフホール

    (地下鉄御堂筋線/北大阪急行 千里中央駅北口すぐ)

趣 旨:生命の基本単位である細胞の機能をシステムとして理解し,その破綻として起こる病態の本質を解明するためには,細胞を構成する超分子集合体であるオルガネラとそのネットワークを理解することが必要である。近年の分子細胞生物学の発展により,オルガネラを構成する因子やオルガネラ輸送に関わる分子群が解明されてきた。

 本シンポジウムでは,オルガネラ機能や制御系を解析する分子細胞生物学的研究の最前線を紹介するとともに,これまで知られていなかったオルガネラ間の連携も議論することを通して,細胞機能の理解に向けた新たなアプローチにつなげることを目指す。

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.797 - P.797

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.798 - P.798

著作権譲渡同意書 フリーアクセス

ページ範囲:P.799 - P.799

編集後記 フリーアクセス

著者: 郡健二郎

ページ範囲:P.800 - P.800

 10年ぶりに中国を訪れた。わずか数日間の滞在であったが,急速な変容ぶりに,驚きの連続であった。その様子はかつての日本を見るかのようであったが,今の日本にとっても考えさせられる点が多い。その光と影を紹介したい。

 中国でも尿路結石の発生率は急増し,北部では10%,南部にいたっては30%の地域もある。そのことから,瀋陽市(遼寧省)に約3億円の予算をかけて,「尿路結石研究中心(センター)」が設立されることとなり,共同研究を兼ねて招かれた。わが国では,がん研究や再生医学など,一部の領域に研究費が集中しているが,良性疾患にも力を入れ始めている中国の政策に,私は共鳴した。

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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