臨床泌尿器科65巻2号

2011年02月発行

手術手技 指導的助手からみた泌尿器科手術のポイント・3

腎尿管全摘除術（開腹術）

著者： 平原直樹¹ 三神一哉² 伊藤吉三¹ 三木恒治²

所属機関： ¹京都第二赤十字病院泌尿器科 ²京都府立医科大学泌尿器外科学

ページ範囲：P.109 - P.113

文献概要

要旨　本稿では，開腹による腎尿管全摘除術のポイントとともに鏡視下手術の適応が拡大している現状においての開腹手術がどのように位置付けされるのか，指導的助手として若手医師に指導する立場から解説する。開腹手術の方法もさまざまであるが，進行しており腫瘍が大きな場合や拡大リンパ節郭清が必要な場合，側臥位をとれない場合には，腎門部への到達が容易となる経腹的到達法や経胸腰的到達法で行うほうがよい。しかし，腹腔を開放しない腹膜外後腹膜到達法は，泌尿器科医が最も精通しておくべき手術法であると考える。そのような観点から，本稿では腹膜外アプローチである経腰的到達法＋下腹部傍腹直筋切開による到達法について解説する。

参考文献

1）Hinman F Jr：Atlas of Urologic Surgery. 2nd ed. Saunder, Philadelphia, pp854-901, 1998

2）Sagalowsky AI and Jarrett TW：Management of urothelial tumors of renal pelvis and ureter. In：Cambell-Walsh Urology 9th ed. edited by Wein AJ, Kavoussi LR, Novick AC, et al. Saunders, Philadelphia, pp1653-1685, 2007

3）Kondo T, Hashimoto Y, Kobayashi H, et al：Template-based lymphadenectomy in urothelial carcinoma of the upper urinary tract：impact on patient survival. Int J Urol 17：848-854, 2010