文献詳細
特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅰ 尿路内視鏡手術 ■経尿道的前立腺切除術(TURP)
文献概要
Q TURPを施行中に被膜穿孔を起こした症例。低ナトリウム血症になったため手術を終了したいと考えている。しかし,切除が完全でないため十分に止血できない。どのようにして手術を終了すればよいか。
[1]概 説
TURPの合併症は,術中・術後早期および晩期の合併症がある。術中の合併症として,出血,穿孔およびTUR反応があり,これらは合わせて約10%発生するといわれている1)。
中でもTUR反応は,TURP施行中に起こる中毒症状で,灌流液が体内に吸収され,overhydrationと低ナトリウム血症となる。特に,被膜穿孔や静脈洞が開くと出現しやすいので注意が必要である。症状として,気分不快,悪心,あくび,意味不明の発言,徐脈,血圧低下などが現れる。
発生頻度は1%未満1,2)でさほど多くはないが,重篤な合併症となるので,対処法などについて理解が必要である。
[1]概 説
TURPの合併症は,術中・術後早期および晩期の合併症がある。術中の合併症として,出血,穿孔およびTUR反応があり,これらは合わせて約10%発生するといわれている1)。
中でもTUR反応は,TURP施行中に起こる中毒症状で,灌流液が体内に吸収され,overhydrationと低ナトリウム血症となる。特に,被膜穿孔や静脈洞が開くと出現しやすいので注意が必要である。症状として,気分不快,悪心,あくび,意味不明の発言,徐脈,血圧低下などが現れる。
発生頻度は1%未満1,2)でさほど多くはないが,重篤な合併症となるので,対処法などについて理解が必要である。
参考文献
1)内田豊昭,足立功一,青輝 昭,他:経尿道的前立腺切除術(TURP)における術中・術後合併症とその対策.日泌尿会誌 84:897-905,1993
2)Greene LF and Segura JW:Transurethral Suregery. WB Saunders, Phiradelphia, pp180-182, 1979
掲載誌情報