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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻4号

2011年04月発行

特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法

Ⅰ 尿路内視鏡手術 ■経尿道的前立腺切除術(TURP)

003 被膜穿孔を起こしてしまい止血できない

著者: 上島成也1

所属機関: 1近畿大学医学部奈良病院泌尿器科

ページ範囲:P.22 - P.23

文献概要

Q TURPを施行中に被膜穿孔を起こした症例。低ナトリウム血症になったため手術を終了したいと考えている。しかし,切除が完全でないため十分に止血できない。どのようにして手術を終了すればよいか。


[1]概 説

 TURPの合併症は,術中・術後早期および晩期の合併症がある。術中の合併症として,出血,穿孔およびTUR反応があり,これらは合わせて約10%発生するといわれている1)

 中でもTUR反応は,TURP施行中に起こる中毒症状で,灌流液が体内に吸収され,overhydrationと低ナトリウム血症となる。特に,被膜穿孔や静脈洞が開くと出現しやすいので注意が必要である。症状として,気分不快,悪心,あくび,意味不明の発言,徐脈,血圧低下などが現れる。

 発生頻度は1%未満1,2)でさほど多くはないが,重篤な合併症となるので,対処法などについて理解が必要である。

参考文献

1)内田豊昭,足立功一,青輝 昭,他:経尿道的前立腺切除術(TURP)における術中・術後合併症とその対策.日泌尿会誌 84:897-905,1993
2)Greene LF and Segura JW:Transurethral Suregery. WB Saunders, Phiradelphia, pp180-182, 1979

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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