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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻4号

2011年04月発行

特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法

Ⅰ 尿路内視鏡手術 ■経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)

009 穿孔させることなく大きな膀胱腫瘍を完全切除したい

著者: 三浦浩康1

所属機関: 1八戸平和病院泌尿器科

ページ範囲:P.37 - P.40

文献概要

Q TURBTを開始した大きな膀胱腫瘍の症例。TURBTは切除範囲が広く,深くなるため,穿孔の危険性が高くなる。穿孔率を低くし,完全切除するためにはどうすればよいか。


[1]概 説

 大きな膀胱腫瘍は腫瘍により腫瘍茎部が隠れてしまうため,基部が確認しづらいことが多い。そのため,切除する部分をうまく内視鏡視野に捉えられないままTURを施行してしまうことがある。さらに,大きな腫瘍は血流が豊富なことが多いため,切除している際の止血が思うようにできないことも多い。出血で視野が悪くなると灌流液の流速を上げて視野を確保しようとするため,容易に膀胱が緊満してしまう。さらに,大きな腫瘍は腫瘍茎部も広いことが多く,切除する範囲も広くなる。このような状況下で不用意にTURを進めていくと,穿孔する危険性が高い。

参考文献

1)藤本博行,垣添忠生:内視鏡手術.癌の外科・手術手技シリーズ3泌尿器癌(国立がんセンター編).メジカルビュー社,東京,pp104-111,1992
2)Nieh PN and Marshall FF:Surgery of bladder cancer. In:Cambell-Walsh Urology, vol 3, 9th ed. edited by Wein AJ, et al. pp2479-2483, Saunders, Phi-ladelphia, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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