文献詳細
特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅰ 尿路内視鏡手術 ■経尿道的尿管砕石術(TUL)
文献概要
Q TULを予定している症例。術後の尿管ステント留置は必須なのか。また,その際の留置期間は,なにを目安に決めればよいか。
[1]概 説
従来,経尿道的尿管砕石術(TUL)後には尿管ステント留置は必須とされてきた。
尿管ステント留置はTUL術後の患者への身体的負担(痛み,膀胱刺激など)を伴うが,発熱や一過性の尿管閉塞対策,尿管狭窄の回避,尿管穿孔時の治療には不可欠である。一方,下部尿管のTULで尿管損傷なく結石の完全摘出ができたものはステントの留置は不要である1)との報告もあり,TUL後ルーチンに全例尿管ステント留置とするのも検討の余地が残っている。
14Fr前後の外径であった硬性尿管鏡や軟性尿管鏡も改良を重ね,10Fr以下に細くなり操作性が大幅に改善している。砕石方法は超音波砕石に始まり,電気水圧破砕,空気圧によるピンハンマーから安全性の高いレーザー砕石へと変遷をたどり,低侵襲なものになってきた。現在は,尿管や腎盂のみならず下腎杯までカバーできる細径(10Fr以下)軟性尿管鏡と組み合わせたレーザー砕石が主流になりつつあり,尿管アクセスシースの使用機会が増えた。尿管ステントはその材質の生体親和性や感染防御面での改善を主眼に素材の改良が続いている2)。
TUL後の尿管ステント留置の必要性の有無と留置時の期間については症例ごとに吟味されるべきであるが,その適応について検討する。
[1]概 説
従来,経尿道的尿管砕石術(TUL)後には尿管ステント留置は必須とされてきた。
尿管ステント留置はTUL術後の患者への身体的負担(痛み,膀胱刺激など)を伴うが,発熱や一過性の尿管閉塞対策,尿管狭窄の回避,尿管穿孔時の治療には不可欠である。一方,下部尿管のTULで尿管損傷なく結石の完全摘出ができたものはステントの留置は不要である1)との報告もあり,TUL後ルーチンに全例尿管ステント留置とするのも検討の余地が残っている。
14Fr前後の外径であった硬性尿管鏡や軟性尿管鏡も改良を重ね,10Fr以下に細くなり操作性が大幅に改善している。砕石方法は超音波砕石に始まり,電気水圧破砕,空気圧によるピンハンマーから安全性の高いレーザー砕石へと変遷をたどり,低侵襲なものになってきた。現在は,尿管や腎盂のみならず下腎杯までカバーできる細径(10Fr以下)軟性尿管鏡と組み合わせたレーザー砕石が主流になりつつあり,尿管アクセスシースの使用機会が増えた。尿管ステントはその材質の生体親和性や感染防御面での改善を主眼に素材の改良が続いている2)。
TUL後の尿管ステント留置の必要性の有無と留置時の期間については症例ごとに吟味されるべきであるが,その適応について検討する。
参考文献
1)Hosking DH, McColm SE and Smith WE:Is stenting following ureteroscopy for removal of distal ureteral calculi necessary? J Urol 161:48-50, 1999
2)太田信隆:処置器具.Jpn J Endourol ESWL 16:173-176,2003
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