icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻4号

2011年04月発行

特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法

Ⅱ 体腔鏡下手術 ■腹腔鏡下副腎手術

023 右副腎静脈がみつからない

著者: 伊藤明宏1

所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.76 - P.77

文献概要

Q 腹腔鏡下右副腎部分切除術を開始した症例。右副腎静脈の同定に難渋している。


[1]概 説

 副腎部分切除は,両側性副腎腫瘍において,A)一側の副腎を全摘し,他方の正常副腎を残して腫瘍を摘出する場合や,B)腎癌などで過去に一側の副腎を摘出しており,残った副腎に発生した腫瘍に対する手術として行われる。A)の両側副腎腫瘍の場合には,左右いずれの副腎を部分切除すべきか,副腎静脈サンプリングを含めた内分泌学的評価により決定できる場合には,決定された側の副腎に対して部分切除を行うが,症例によっては,内分泌学的にはいずれの副腎に部分切除を行っても差がないと判断され,術者側の判断に委ねられる場合もある。しかし多くの場合には,B)のように,すでに一側の副腎がない場合が多い。右の副腎部分切除においては,腫瘍や副腎静脈の位置によって,副腎静脈が残存される場合と,切断もしくはクリッピングされる場合とが考えられる。この際に,副腎静脈の同定が困難な場合が本設問の問題点である。

参考文献

1)吉田 修(監修)荒井陽一,松田公志(編):新泌尿器科手術のための解剖学.メジカルビュー社,東京,p4, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら