文献詳細
特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅱ 体腔鏡下手術 ■腹腔鏡下根治的腎摘除術
文献概要
Q 腹腔鏡下根治的腎摘除術を開始した症例。術中に腎茎を損傷してしまい,視野が保てなくなった。
[1]概 説
腹腔鏡下根治的腎摘除術における血管損傷の合併症の発生頻度はアプローチ方法によらず,おおむね2%以下である。この割合は開腹手術のそれと変わらないが1),直接圧迫止血することのできない腹腔鏡下手術においては,腎茎損傷は最も重篤な合併症の1つであり,大量出血の原因となる。また,良好な視野が保てない中で手術を継続すると,予期せぬ合併症を引き起こす危険性がある。術前から,血管の走行,腎臓全体や血管同士の位置関係を十分把握したうえで,血管の剝離においては安全な鉗子操作を心掛けるのはもちろんであるが,日頃から腎茎損傷をした場合,どういった対応をすべきか想定しておき,実際の場面では焦らず冷静に対応することが肝心であると考える。
[1]概 説
腹腔鏡下根治的腎摘除術における血管損傷の合併症の発生頻度はアプローチ方法によらず,おおむね2%以下である。この割合は開腹手術のそれと変わらないが1),直接圧迫止血することのできない腹腔鏡下手術においては,腎茎損傷は最も重篤な合併症の1つであり,大量出血の原因となる。また,良好な視野が保てない中で手術を継続すると,予期せぬ合併症を引き起こす危険性がある。術前から,血管の走行,腎臓全体や血管同士の位置関係を十分把握したうえで,血管の剝離においては安全な鉗子操作を心掛けるのはもちろんであるが,日頃から腎茎損傷をした場合,どういった対応をすべきか想定しておき,実際の場面では焦らず冷静に対応することが肝心であると考える。
参考文献
1)Breda A, Finelli A, Janetschek G, et al:Complication of laparoscopic surgery for renal masses:prevention, management, and complication with the open experience. Eur Urol 55:836-50, 2009
2)Adams JB, Moore RG, Micali S, et al:Laparoscopic genitourinary surgery utilizing 20mmHg intra-abdominal pressure. J Laparoendosc Adv Surg Tech A 9:131-134, 1999
掲載誌情報