文献詳細
特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅱ 体腔鏡下手術 ■腹腔鏡下根治的腎摘除術
文献概要
Q 上極の腎腫瘍に対して腹腔鏡下根治的腎摘除術を開始した症例。横隔膜に電気メスが接触していたようで,手術の途中から換気不良となった。肺自体には損傷はないようだ(損傷の確認と修復はどのように行うか)。
[1]概 説
横隔膜損傷は腹腔鏡下腎摘除術の合併症としては比較的稀であるが,時に重症化する可能性があり注意が必要である。腹腔鏡下手術時の横隔膜損傷では,気腹ガスが損傷部を経て胸腔内に入るために胸腔内の陰圧が失われ,肺の虚脱が起こりやすい。このため開腹手術での損傷の場合よりも換気不良を起こしやすい。特に微小な横隔膜損傷の場合,これに気づかないまま手術を続けると換気不良をきたし重症化することもあり得る。このため横隔膜損傷の早期発見と修復が重要である。
[1]概 説
横隔膜損傷は腹腔鏡下腎摘除術の合併症としては比較的稀であるが,時に重症化する可能性があり注意が必要である。腹腔鏡下手術時の横隔膜損傷では,気腹ガスが損傷部を経て胸腔内に入るために胸腔内の陰圧が失われ,肺の虚脱が起こりやすい。このため開腹手術での損傷の場合よりも換気不良を起こしやすい。特に微小な横隔膜損傷の場合,これに気づかないまま手術を続けると換気不良をきたし重症化することもあり得る。このため横隔膜損傷の早期発見と修復が重要である。
参考文献
1)Voyles CR and Madden B:The“floppy diaphragm”sign with laparoscopic-associated pneumothorax. JSLS 2:71-73, 1998
2)Del Pizzo JJ, Jacobs SC, Bishoff JT, et al:Pleural injury during laparoscopic renal surgery:early recognition and management. J Urol 169:41-44, 2003
3)Venkatesh R, Kibel AS, Lee D, et al:Rapid resolution of carbon dioxide pneumothorax(capno-thorax)resulting from diaphragmatic injury during laparoscopic nephrectomy. J Urol 167:1387-1388, 2002
掲載誌情報