文献詳細
特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅱ 体腔鏡下手術 ■後腹膜鏡下根治的前立腺摘除術
文献概要
Q 後腹膜鏡下根治的前立腺摘除術を開始した症例。カメラポートを挿入する際に,うまくレチウス腔に入ることができない。
[1]概 説
前立腺の前面(腹側)と後面(背側),右と左を均等に観察するには,カメラポートは正中線上の臍付近に置くのがよい。経腹膜到達の場合には臍より頭側にも置くことができるが,腹膜外到達では,腹膜が臍に固着しているため臍より尾側に置く。腹膜を開けないことが絶対条件であるが,臍下3~5cmまでは腹直筋鞘後葉があることを理解し,これを利用することで腹膜損傷を避けることができる(図1,2)。
[1]概 説
前立腺の前面(腹側)と後面(背側),右と左を均等に観察するには,カメラポートは正中線上の臍付近に置くのがよい。経腹膜到達の場合には臍より頭側にも置くことができるが,腹膜外到達では,腹膜が臍に固着しているため臍より尾側に置く。腹膜を開けないことが絶対条件であるが,臍下3~5cmまでは腹直筋鞘後葉があることを理解し,これを利用することで腹膜損傷を避けることができる(図1,2)。
参考文献
1)酒井建雄,松村譲兒(監訳):体幹3.7腹壁と腹直筋鞘の構造.プロメテウス解剖学アトラス―解剖学総論/運動器系.医学書院,東京,pp150-151,2007
2)酒井建雄,大谷 修(監訳):腹部・骨盤部1.3腹腔・骨盤腔における腹膜―概観と前腹壁.プロメテウス解剖学アトラス―頸部/胸部/腹部・骨盤部.医学書院,東京,pp154-155,2008
掲載誌情報