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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻4号

2011年04月発行

特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法

Ⅱ 体腔鏡下手術 ■腹腔鏡下ドナー腎摘除術

054 温阻血時間を短くしたい

著者: 尾本和也1

所属機関: 1東京都保健医療公社大久保病院移植外科・泌尿器科

ページ範囲:P.153 - P.155

文献概要

Q 腹腔鏡下ドナー腎摘除術を予定している症例。温阻血時間をさらに短縮したいと考えているが,なにか工夫やコツはないか。


[1]概 説

 生体腎移植術における腹腔鏡下ドナー腎摘出術は,術後疼痛の軽減,入院期間の短縮,早期社会復帰などの利点が多いことから急速に普及し,最近の報告では約70%のドナー腎摘出術が内視鏡下に行われている。一方で,ドナー腎摘出術に求められる重要な点は摘出腎の機能温存であるが,この点で最後まで腎動静脈の切断ができないことや,切断後すみやかに腎臓を体外に摘出する必要があることにより,難易度の高い手術の1つといえる。この術後早期の腎機能を決定する因子の1つに温阻血時間(warm ischemic time:WIT)が挙げられ1),術者は腎血管を遮断,切断後すみやかに腎臓を摘出し,ベンチにて摘出腎を冷却,灌流する必要がある。このWITが不用意に長くなると急性尿細管壊死のような腎障害を引き起こし,delayed graft functionに陥ることで,術後透析療法を行わざるを得なくなる。

参考文献

1)Brennan TV, Freise CE, Fuller TF, et al:Early graft function after living donor kidney transplantation predicts rejection but not outcomes. Am J Transplant 4:971-979, 2004
2)Simforoosh N, Basiri A, Shakhssalim N, et al:Effect of warm ischemia on graft outcome in laparoscopic donor nephrectomy. J Endourol 11:895-898, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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