icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻4号

2011年04月発行

特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法

Ⅳ 開腹手術 ■腎尿管全摘除術

067 尿管下端から壁内尿管までの剝離が難しい

著者: 小原航1

所属機関: 1岩手医科大学大学院医学研究科泌尿器科学講座

ページ範囲:P.189 - P.190

文献概要

Q 腎尿管全摘除術を開始した尿管下端の尿管癌の症例。壁内尿管にも腫瘍が詰まっているような状態で,尿管下端から壁内尿管まで十分な剝離が困難である。


[1]概 説

 尿管癌に対する標準治療は,患側の腎尿管全摘除術である。腎尿管全摘除術は,腎周囲のGerota筋膜内の脂肪組織とともに腎,尿管を切離し,尿管膀胱吻合部の膀胱壁をカフ状に切除する術式で,副腎の切除の有無は問わないと定義されている1)

 術中操作で最も重要な点は,尿管外に腫瘍組織を播種させないことと,不完全切除にならないよう確実に腫瘍を切除することである。尿管口を不完全に切除すると,再発した場合に手術の影響で膀胱粘膜が埋没して再発腫瘍の発見が遅れることがあるので,確実に尿管口も切除することが肝要である。

参考文献

1)中川昌之:Ⅱ 腎盂尿管癌に対する手術―腎尿管全摘除術.新Urologic Surgeryシリーズ3,pp140-147,メジカルビュー社,東京,2009
2)白木良一:Ⅲ 腎盂尿管癌 特論―腎尿管全摘除術における尿管下端の処理法.腎・泌尿器癌,pp441-444,日本臨牀社,大阪,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら