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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻4号

2011年04月発行

特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法

Ⅳ 開腹手術 ■腎尿管全摘除術

068 尿管が尿管膀胱移行部の付近でちぎれてしまった

著者: 佐々木昌一1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科腎・泌尿器科学分野

ページ範囲:P.191 - P.193

文献概要

Q 腎尿管全摘除術を開始した症例。尿管を膀胱外からカフ状に切除しようとして剝離していたところ,尿管膀胱移行部の付近でちぎれてしまい,さらに膀胱側の断端がどこにあるかわからなくなった。


[1]概 説

 腎尿管全摘除術の尿管摘除は,膀胱外操作と膀胱内操作とがある。この症例は膀胱外から尿管口を含めて尿管を摘除するところであったが,誤って尿管が離断してしまった。膀胱外からカフ状に切除する際に,癒着が強かったり,腎尿管を強く牽引しすぎると尿管がちぎれてしまうことがある。ていねいに剝離を進め,Waldeyer's sheathと尿管の間を剝離し,膀胱粘膜が見えるようになったら,尿管摘除後のhiatusを見失わないため膀胱に支持糸を掛け,尿管口周囲の膀胱粘膜を含めて摘除する。

 誤って断裂させた場合は支持糸が掛かっていない状態のことが多い。すなわち遠位の尿管断端がみつからない場合もある。そのような場合は膀胱を開けて,尿管口から断裂した尿管を探すほうがよい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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