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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻4号

2011年04月発行

特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法

Ⅳ 開腹手術 ■腎尿管全摘除術

069 癒着した総腸骨動脈から出血してきた

著者: 佐々木昌一1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科腎・泌尿器科学分野

ページ範囲:P.194 - P.195

文献概要

Q 回腸導管の尿管下端付近に尿管腫瘍ができたため,片側の腎尿管全摘除術を開始した症例。尿管回腸吻合部を癒着した右総腸骨動脈から剝離していたところ,突然,総腸骨動脈から出血が始まった。


[1]概 説

 膀胱全摘除術および回腸導管造設術を行った後の尿管再発に対して片側の腎尿管全摘を行う場合,回腸導管と尿管の吻合部は癒着していると考えておくべきであり,剝離の際には導管の背部にある右総腸骨動脈に十分注意を払うべきである。

 総腸骨動脈を結紮すると53.8%で下肢切断が必要になると報告されている1)ため,損傷した血管は必ず修復されなければならない。

参考文献

1)Heberer G and Van Dongen RJAM:血管外科.シュプリンガー・フェアラーク,東京,1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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