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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻4号

2011年04月発行

特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法

Ⅳ 開腹手術 ■膀胱の手術

082 骨盤リンパ節郭清中に内腸骨領域から多量の出血が起きた

著者: 古家琢也1 杉山尚樹1 工藤茂将1 大山力1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座

ページ範囲:P.224 - P.225

文献概要

Q 膀胱癌に対する膀胱全摘除術を開始した症例。骨盤リンパ節を郭清していたところ,突如,内腸骨領域から多量の出血が始まった。


[1]概 説

 筋層浸潤膀胱癌に対するリンパ節郭清術は標準的な手術であるが,その郭清範囲を拡大することにより予後の改善に寄与する可能性が示唆されている1,2)。しかし,血管周囲を剝離する操作であるため,時に大出血を引き起こす危険性がある。動脈からの出血は,出血が拍動に同期しているため,出血点を探しだすことは比較的容易であるが,静脈系,特に骨盤内の静脈からの出血は,たとえ細い無名静脈の損傷だとしても,一気に多量の出血を認めることもあるため,出血点を見極めることが困難な場合もある。

参考文献

1)Steven K and Poulsen AL:Radical cystectomy and extended pelvic lymphadenectomy:survival of patients with lymph node metastasis above the bifurcation of the common iliac vessels treated with surgery only. J Urol 178:1218-1223, 2007
2)Karl A, Carroll PR, Gschwend JE, et al:The impact of lymphadenectomy and lymph node metastasis on the outcomes of radical cystectomy for bladder cancer. Eur Urol 55:826-835, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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